2015年3月7日、玉泉院丸庭園が開園しました。
玉泉院丸庭園は江戸期にあった庭園で、明治期になると旧陸軍に埋立てられ、戦後はこの場所には石川県立体育館がありました。石川県立体育館の移転後、庭園の復元調査などを経て、今回開園しました。
金沢城公園いもり坂口は玉泉院丸口に改称されました。
金沢城の案内板にも玉泉院丸庭園の表記があります。簡単に言えば尾山神社裏に復元された庭園で、近くにしいのき迎賓館もあり、アクセスもしやすいです。
早速階段を上り、庭園散策しましょう!
階段も一部、金沢市原産の戸室石が用いられています。
玉泉院丸庭園の案内板です。
先ほどの階段を上らなくても、いもり坂を使えば、車いすの方でも段差なく来園出来るように工夫されています。
こちらは、玉泉庵です。
玉泉庵は、藩政期に露地役所のあった場所で、休憩施設・茶室となっています。
写真手前が無料休憩所、奥が茶室となっており、お抹茶がいただけます(有料)。
無料休憩所内部はこんな感じです。梅鉢紋を模した照明に、木をふんだんに用いた内部となっており、ガイドさんも常駐しています。
壁面には、玉泉院丸庭園の復元までの解説がパネル展示されていました。
そして、無線LANも完備です!(金沢城と兼六園では既にFREESPOT完備です)
そして、こちらが玉泉庵からの眺めです!!
金沢城の石垣を借景として広がる庭園はとても美しいです!
写真右上には、重要文化財の金沢城三十間長屋も見えます。
玉泉庵の向かい側にあるトイレです。自販機もあります。
玉泉院丸庭園北側は砂利が敷かれ、暫定的な整備となっています。
このエリアは、今年度から始まる金沢城第3期復元工事で、鼠多門が復元される予定です。そして将来的には、尾山神社と玉泉院丸庭園が鼠多橋で接続されることとなります。
完成すれば、長町武家屋敷~尾山神社~鼠多橋~玉泉院丸庭園~金沢城~兼六園が1本の動線で結ばれることとなり、金沢観光の重要なルートとなるかもしれません。
金沢商工会議所斜め向かいの旧石川県営丸の内駐車場跡地には、石垣を見渡せる緑地が整備され、「丸の内園地」と名付けられました。丸の内園地も3月7日開園です。
玉泉院丸庭園を北側から望みます(紅葉橋から)。船小屋が作られています。
こちらの橋は兼六園の花見橋を参考にしたそうです。
ちなみに池の中島には立ち入り禁止です。
続いては滝のある方へ向かいます。
段落ちの滝から池へと水が流れ込みます。
この石の配置も水の当たり具合などを考えてあるそうですよ。
西側から見た様子です。
池の周りを歩くごとに景色が変わっていく面白さがあるのが、池泉回遊式庭園の特徴です。
南側の眺望台から見た庭園です。
眺望台からは庭園全体の様子が一望できます。
兼六園でおなじみの、唐傘風の休憩所があります。
起伏のある地形に幾何学模様の雪吊りがベストマッチです。
段落ちの滝方面を望みます。前田のお殿様もこのような景色を眺めていたのでしょうか。
石垣も防衛面と見た目の美しさを兼ね備えた作りになっています。
色紙短冊石垣です。戸室石をうまく使用し、色彩も豊かです。
かつては、V字樋から水が流れ落ちていました。
玉泉院丸庭園は復元されたてで、真新しい庭園ですが、数十年後の国宝、さらに数十年後の特別名勝、さらに数十年後の世界遺産になる価値は十分あると思います。
現代の庭園技術の粋を最大限に引き出して作られた庭園は金沢の誇りとして輝き続けるでしょう。
PLUS
夜のライトアップは時間が無くて行きませんでしたが、これまた格別なのでおすすめだそうです^^ある種のプロジェクションマッピングのようだとか。
また時間あったら行ってみます。
以上、長い記事でしたが、読んでくれた方ありがとうございました。
これで2年8か月にわたる取材を終了します。
ありがとうございました。
過去記事
・玉泉院丸庭園 開園直前レポート! 2015.2
・玉泉院丸庭園整備事業 2014.12
・玉泉院丸庭園整備事業 2014.11
・玉泉院丸庭園整備事業 2014.10
・玉泉院丸庭園整備事業 2014.9
・玉泉院丸庭園整備事業 2014.5月下旬
・玉泉院丸庭園整備事業 2014.1下旬
・玉泉院丸庭園復元工事 2013.7
・玉泉院丸庭園の復元開始!
・玉泉院丸庭園 復元工事 2013.1下旬
・玉泉院丸庭園跡復元工事 2012.7