鼠多門・鼠多門橋復元工事は、金沢城の西側にあった門と橋を復元する事業です。
金沢城公園西側で発掘調査が進められていた鼠多門・鼠多門橋について、3年間行われた発掘調査も終わり、2018年度から本格的に復元工事に着手されます。
概要
(知事記者会見(年頭知事会見) – 平成30年1月4日 – 1 金沢城「鼠多門・鼠多門橋」の復元 -石川県 より引用)(かつての鼠多門と鼠多門橋の様子)
鼠多門の特徴
・金沢城三御門(石川門・河北門・橋爪門)とは異なり、連続した石垣内に扉がある
・石垣の上に、威容を誇る2層2階の櫓が建つ
・三御門の枡形門とは異なる単体の門また、明治時代に陸軍が石垣をふさいだため、藩政期の城の入り口で唯一閉ざされていた門(付近のいもり坂は陸軍が整備した道路なので藩政期には無かった)でもあります。復活すれば、約130年ぶりとなります。
鼠多橋
・金谷出丸(現在の尾山神社)と玉泉院丸を結んでいた橋。
・当初は尾山神社裏の、現在道路になっているあたりにお堀があり、橋を架ける必要があった。復元整備の意義
・城外周部の市街地に面した建物、魅力ある城下町の景観の創出。
・「加賀藩ゆかりの歴史的回遊ルート」が明確となり、金沢城のシンボル性がより高まる。
・伝統的建造技術の継承、石川の匠の技の発信
鼠多門、鼠多橋が完成すると、尾山神社から玉泉院丸庭園が一直線で結ばれるため、回遊性が大幅に向上し、長町武家屋敷→尾山神社→鼠多橋→玉泉院丸庭園→金沢城公園→石川橋→兼六園と、加賀藩ゆかりのスポットが線で結ばれることになります。
2021年の完成を目指して復元工事が続いています。
工事の概要
名称:金沢城公園整備(鼠多門)工事
場所:金沢市丸の内
設計:公共財団法人文化財建造物保存技術協会
敷地面積:225,003.36㎡
建築面積:7,272.03㎡
延床面積:8,020.42㎡
用途:博物館
構造:木造、一部鉄骨造
高さ:10.445m
階数:地上2階地下1階
工事着手予定日:2018年7月1日
工事完了予定日:2020年12月10日
現在の様子
正面から見た様子です。
足場が増え、工事が進んでいるのが分かります。
拡大した様子です。
ちょうど真ん中の窪んだところが門の出入り口となる部分です。
南側から見た様子です。
鼠多門北側の石垣は早くも完成しました!!
石材は金沢城にも多く使用されている、地元の戸室石を使用。
今回、石垣の配石に関しては3Dプリンターで10センチ四方の石垣の樹脂模型を作り、石をパズルのように当てはめて積み方を調べたそうです。
そういった最新の技術で復元していくのも興味深いですね。
鼠多門南側はこれからといった感じでした。
尾山神社近くから全景です。
続いて、玉泉院丸庭園側から見た様子です。
こちらからは先ほどと逆アングルから見られます。
こちらからも戸室石の石垣が完成しているのが見えました。
工事風景を全景で。
次は鼠多門南側の石垣に取り掛かるのかもしれません。
最後におまけで、玉泉院丸庭園の様子です。
過去記事
・金沢城 鼠多門・鼠多門橋 復元工事 2018.6
・金沢城 鼠多門・鼠多門橋の完成イメージ図が公表!2021年の供用を目指して復元が本格化!
・金沢城 鼠多門・鼠多門橋復元工事 2017.12
・金沢城 鼠多門・鼠多門橋復元工事 2017.7
・金沢城 鼠多門・鼠多門橋復元工事 2017.2
・金沢城 鼠多門・鼠多門橋復元工事 2016.10
・金沢城 鼠多門・鼠多門橋復元工事 2015.10
・金沢城 鼠多門・鼠多門橋復元工事 2015.7