東京国立近代美術館工芸館(国立工芸館) 移転整備工事は、文化庁、(独)国立美術館、石川県、金沢市において、「政府関係機関移転基本方針」(平成28年3月22日まち・ひと・しごと創生本部決定)に基づき、決定しました。
建物は、金沢市出羽町にある、「旧第九師団司令部庁舎」と「旧金沢偕行社」を移転し外観を活用、完全復原される予定です。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中に開館することを目指しています。
東京国立近代美術館工芸館(国立工芸館) 移転整備工事を撮影しようとしたところ、近くの警備員より、復元工事(本体)の撮影は禁止するよう言われているとの旨でした。
詳細までは伺わなかったのですが、復元に関する技術漏洩を防ぐ目的でしょうか…?よく見ると、3月訪問時には無かった撮影禁止マークが仮囲いに描かれていたため、今回は、石川県立能楽堂隣の周辺整備工事の模様をお伝えします。
概要
(正面から)
(鳥瞰図)
(移転跡地に整備される駐車場)
配置図です。
実線斜線で示されている部分が移転部分、鎖線斜線で示されている部分が増築・復原部分となっています。
名称 | 東京国立近代美術館移転整備工事 |
---|---|
所在地 | 石川県金沢市出羽町 |
敷地面積 | 10,554.46㎡ |
建築面積 | 1,421.66㎡ |
延床面積 | 3,072.22㎡ |
用途 | 美術館 |
高さ | 地上13.76m |
階数 | 地上2階,地下1階 |
客室数 | ― |
開発事業者 | 石川県 |
設計 | 山岸建築設計 |
工事着手予定日 | 2018年3月19日 |
工事完了予定日 | 2019年10月31日 |
開業日 | 2020年東京オリンピックまでに開業目指す |
通称は国立工芸館に
東京国立近代美術館工芸館の石川県移転に関して、石川県にあるのに”東京”の名が付くことになるため、通称名について検討されてきました。通称名は石川県や金沢の名が付くことも検討されましたが、「国立工芸館」に決定しました。
おそらく、地図などの表記も国立工芸館という名称になると思われます。
建設当時の色で復元へ
(北國新聞より引用)
復元にあたって調査した結果、建設当初は異なる色だったことが判明したそうです。
第九師団司令部庁舎(左)は長らく、クリーム色の外観に窓枠などは薄桃色でしたが、建設当初は白色の外観に窓枠などはこげ茶色
金沢偕行社(右)は長らく窓枠などは灰色でしたが、建設当初は窓枠などは緑色
だったそうです。
塗り替えられた理由は戦後の洋風建築を塗装する際の流行色だったことや、緑色は旧陸軍を想起させるため塗り替えたそうです。
スケジュール
2017年度~ 解体・移築、工芸館整備
↓
2019年秋 工芸館の建物 完成予定
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2019年秋~2020年 からし期間
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2020年夏ごろ(東京オリパラ時期)開業
前回の記事はこちら
現在の様子
国立工芸館自体にはカメラを向けず、出羽町交差点のかつて金沢偕行社や第九師団司令部庁舎が建っていたあたりの様子です。
仮囲いが外れ、石垣と会談が整備されていました。
戸室石を用いており、金沢城の石垣を踏襲しているようです。
かつて金沢偕行社や第九師団司令部庁舎が建っていた場所は駐車場の整備工事が行われています。側溝などの工事は終わり、アスファルトを敷くために慣らしていました。
一部はすでに石川県立能楽堂の駐車場として供用済みでした。
過去記事
・金沢に移転する東京国立近代美術館工芸館(国立工芸館) 整備工事 2019.3
・金沢に移転する東京国立近代美術館工芸館 整備工事 2019.1
・金沢に移転する東京国立近代美術館工芸館 整備工事 2018.12
・金沢に移転する東京国立近代美術館工芸館 整備工事 2018.10
・金沢に移転する東京国立近代美術館工芸館 整備工事 2018.7
・金沢に移転する東京国立近代美術館工芸館 整備工事 2018.6
・金沢に移転する東京国立近代美術館工芸館 整備工事 2018.2
・金沢・本多の森に移転予定の東京国立近代美術館工芸館の様子 2017.8
・石川県に移転する国立近代美術館工芸館はモダン建築に!
・東京国立近代美術館工芸館の石川県移転が決定!2020年の開館を目指す!