東京国立近代美術館工芸館の石川県への移転は、文化庁、(独)国立美術館、石川県、金沢市において、「政府関係機関移転基本方針」(平成28年3月22日まち・ひと・しごと創生本部決定)に基づき、決定しました。
建物は、金沢市出羽町にある、「旧第九師団司令部庁舎」と「旧金沢偕行社」を移転し外観を活用、完全復原される予定です。
2020年の開館を目指して関係機関と調整をしています。
完成イメージ
(石川県-知事記者会見(年頭知事会見) – 平成29年1月4日 – 1.国立工芸館について より引用)
移転する場所は、今まで、旧藩老本多蔵品館と旧石川県庁舎出羽町分室だったエリアです。
現在の様子
赤レンガの広場から旧藩老本多蔵品館だったエリアを望みます。
移転後は写真中央付近に国立工芸館が見えるはずです。
跡地は暫定的に駐車場として整備されました。
まさにこの駐車場となっている場所が移転先となります。
隣接地には、旧陸軍の兵器庫3棟を改修した、石川県立歴史博物館があります。
石川県立歴史博物館です。
いしかわ赤れんがミュージアムの愛称で親しまれています。
旧石川県庁舎出羽町分室跡地は芝生が敷き詰められ、暫定的に整備されました。
面影が少しだけ残っています。
兼六園周辺文化の森の案内板です。
地図上の、現在地と書かれた部分に国立工芸館が移転します。
PLUS
2017年8月9日の北陸中日新聞では、東京近代美術館工芸館の移転について、
工芸館機能 金沢に一本化 国立近代美術館 移転へ国など調整
金沢市内への移転が決まっている東京国立近代美術館工芸館(東京都千代田区)について、国などが、名称や機能を金沢に一本化させる方向で調整していることが、関係者らへの取材で分かった。約三千七百点の全収蔵品は最大で六割の作品を移す。現工芸館は今の名称が外され、金沢に造られる新施設だけが「工芸館」と名乗る見通し。
移転を巡っては、現工芸館を残し金沢を分館とするのか、全面移転するのかが焦点だった。国はこれまで全面移転に慎重だったが、地元の意向が大きく反映される見込みとなった。
新施設は組織上、「東京国立近代美術館工芸館」となるが、「東京」の地名が残るため、地元金沢に合うよう愛称をつける。
工芸館の館長職は現在なく、工芸館の責任者は近代美術館の工芸課長。このため工芸課長が金沢で在職する見込み。これとは別に名誉館長を置く可能性もある。
文化庁などは今月末にも具体的な通称や作品数、職員の配置など基本方針を公表する。現工芸館にも作品が残る形で、管理する近代美術館本館が今後、活用方法を検討する。
(以下略)
と書かれており、名称や機能が金沢に一本化することを検討しているそうです。
記事に書かれている内容が実現すれば、石川県の要望がほぼ満額で通ることとなります。
どのような名称となるかも含めて楽しみですね。
日本海側で初めての国立美術館となります。
過去記事
・石川県に移転する国立近代美術館工芸館はモダン建築に!
・東京国立近代美術館工芸館の石川県移転が決定!2020年の開館を目指す!