金沢市ニュース

Zepp金沢 建設予定地の経緯と賛否について 2019.11

Zepp金沢の開業について賛否が分かれています。

2019年11月に地元住民向けの説明会が開催。

近所住民の意見としては、

  • 治安問題
  • ゴミ問題
  • 車の問題

といったこと疑問視されている問題で、TwitterなどSNSや掲示板上では情報が錯綜し、賛成派と反対派の互いの感情のぶつけ合いとなっているのが現状です。

特に、土地の経緯を理解していない方が外野で騒いでいる状況が気になったので、改めて経緯を深堀して記事をまとめてみました。

 

まずは現在計画中のZepp金沢の概要です。

Zepp金沢の概要

現時点での概要は、

  • 収容人数は1300人。
  • 内訳は1階に900人(立ち見)、2階に400人(椅子)
  • 開場前でも敷地内に計1300人が待機できる場所を設ける
  • 防犯カメラの設置や警備員の巡回で治安の悪化を防ぐ
  • 開業は2021年夏を予定

等々です。

改めて、Zepp金沢の進出までの経緯について時系列とともに見ていきたいと思います。

情報源として北國新聞の縮刷版やSNSでの当時の情報などを参考にしました。

 

2009年3月 JT金沢工場が閉鎖

2009年3月にJT金沢工場が閉鎖しました。

工場跡地は89,766㎡、JR北陸本線「西金沢駅」の西側に隣接した場所です。

金沢市側は、北陸新幹線建設に伴い西金沢駅の橋上駅舎化と新たに「西口・西口広場」開設(及び、保古町交差点から西金沢駅までのアクセス道路整備)を計画していました。

 

2011年6月 JTと金沢市が合意書を締結

金沢市側はJT(日本たばこ産業)と協議を続けたうえで、2011年に「良好な市街地形成を図るため、市は2本の都市計画道路を整備し、JTは、跡地内に多目的広場用地を確保する」旨の合意書を締結しています。

(参考:かなざわ市議会だより

北國新聞の記事では、

  • 優良な住宅地を中心として整備することを確認
  • 市は跡地で都市計画道路を整備
  • JTは跡地に多目的広場整備を要望

したとしています。

 

 

2012年4月 都市計画(米泉町10丁目地区地区計画)決定

地区計画の決定(米泉町10丁目地区)-金沢市)

2012年4月に金沢市は都市計画を決定しました。都市計画道路を2本整備し、区画道路を1本整備。

地区内を、

拠点サービス地区 近隣商業地域
沿道サービス地区A 準工業地域
沿道サービス地区B 第二種住居地域
住宅地区 第一種住居地域

の4つの用途に分類しました。

西金沢駅前は商業施設や業務施設等を配置し、JR沿線は鉄道の緩衝的役割を担い業務施設や中層程度の集合住宅、背後は住宅地区として、用途を指定しました。

Zepp金沢の建設地は沿道サービス地区A、つまり準工業地なので、風俗営業や重工業などを除き、ほぼすべての用途が建てられるエリアとなっています。都市計画法上は問題ないようです。

 

2013年3月 JT側が敷地を一般競争入札で一括売却することを決定

JT金沢工場跡地(約110,000㎡)について、金沢市が整備する都市計画道路や多目的広場を除く約90,000㎡を一括売却することを明らかにしました。

当時の北國新聞には「金沢市と都市計画道路用地購入の協議を行っており、土地売却の準備が整った」、地元住宅メーカーなどの関心も高いと書かれています。

仲介業者は住友不動産販売で、2013年4月10日まで開発事業者を一般競争入札(入札額が高い事業者が落札)で募集しました。

 

2013年7月 開発事業者が決定、落札

一般競争入札で4社ほどが入札した結果、富山市の松原建設・ロクショウが連名で落札しました。入札金額は最低金額20億円(実際の価格は不明)だったそうです。

当時の北國新聞には「拠点サービス地区にはスーパーマーケットの誘致を検討しており、既に富山、石川などの3、4社が進出を希望している」、「地元関係者の間では大規模開発も手掛ける大手住宅メーカーを本命視しており(中略)まったく予想外の展開」などと書かれています。

ここで、スーパーマーケットの誘致を検討していることが公に明らかになりました。

 

2013年12月 ユニーが進出することが明らかに

JT金沢工場跡地にアピタやピアゴを運営する「ユニー」の進出が明らかになりました。

この時は「ピアゴ」開業に向けた調整が進んでいる、開業時期は現時点では未定とされていました。

また、記事内では「日常的な買い物需要を取り込む狙いとみられる」と書かれています。

ここで初めて「大型スーパーマーケット」の概要が明らかになりました。

西金沢地区にお住いの方のnote「Zepp金沢で見落とされている地元話」では、ピアゴの駐車台数は2000台を計画していたそうです。

 

2014年 敷地の造成が進み、計画も着々と進行

敷地の造成工事が進み、沿道の店舗も着々と出店計画が進んでいました。

たまたま写真撮っていたものですが、

  • 店舗出店予定地→ゲンキー
  • ピアゴ出店予定地
  • オフィス予定地→北陸電話工事
  • 家電量販店出店予定地→ジョーシン
  • 福祉施設予定地→朱鷺の苑
  • V・ドラッグ出店予定地

などなど、住宅地を囲むように計画が進んでいる様子が分かります。

2014年8月の造成工事の様子はこちら

JT金沢工場跡地 に新たな街が誕生します 西金沢都市開発事業(仮)は、2009年3月に閉鎖されたJT金沢工場跡地を都市開発するプロジェクトで、富山県内の建設会社松原建設・ロクシ...

本来であれば、駅前にピアゴを核とする大型スーパー、家電量販店、ドラッグストアが並ぶ、日用のショッピングゾーンと住宅街で構成される予定でした。

 

住宅販売の「キャロットホーム」の分譲地情報(金沢米泉ニュータウン)の広告を見ると、

住宅と商業施設の一体開発としては、金沢市内の中心部において最大規模となります。

開発地は四つのエリアに分け、戸建住宅街区は総区画数139区画、西金沢駅に隣接する約13,200㎡を拠点店舗ゾーンに設定し、流通大手のユニーによる食品スーパー「ピアゴ」が出店するほか、大規模店舗ゾーンには家電量販店の誘致を計画しています。

また、店舗や集合住宅等の立地を設定する沿道サービスゾーンにはドラッグストアや福祉施設の出店を予定しています。

キャロットホーム

となっている通り、本来はこのような形で宅地分譲を行っていたことが分かります。

 

2018年5月 ピアゴの白紙、ジョーシンの撤退が明らかに

計画が変化し始めるのはこの辺りからです。

ピアゴ西金沢店の計画が突如白紙になりました。これはユニーの経営不振による、ドン・キホーテホールディングスによるユニーの買収が関係しているともされます。

付近にはドン・キホーテの「MEGAドン・キホーテラパーク金沢店(旧長崎屋)」があり、複数出店は厳しいと判断された見方が有力です。

先に進出した家電量販店の「ジョーシン」は、ピアゴの進出を見越して出店したものの、ピアゴ計画が何年も動かず白紙になったことも影響し、わずか3年で撤退してしまいました。

 

2018年夏以降 ユニーが大和ハウスに土地を売却・マンション建設発表

2018年内に土地の所有権(約10,000㎡)がユニーから大和ハウス工業に移りました。

このうち、西金沢駅に近い一角では大和ハウス工業の分譲マンション(プレミスト西金沢ステーションフロント)が建設されることが発表。

大和ハウスが西金沢駅西口でプレミスト西金沢駅前を建設へ! マンションやホテルなど不動産事業を手掛ける大和ハウスが金沢市米泉町のJR北陸本線西金沢駅前において、マンションプロジェクト「プレ...

また、ジョーシン跡地はDMMが金沢事業所を開設しました。

 

2019年3月 一部を西松建設に売却、Zepp金沢進出が明らかに

大和ハウス工業が所有するピアゴ建設予定地の一部を西松建設に売却し、Zepp金沢の進出が明らかになりました。

ここでようやくZepp金沢の話が出てくるわけです。

用地は大和ハウスが一括で取得し、その一部を西松建設に売却したため、Zepp金沢を開発する西松建設とマンションを開発する大和ハウスは折り合いがついているはずです。

 

建設を望む人が多い一方で…

Zepp金沢の建設を望む人が多い一方で、アンケートは興味深い結果となりました。

1311票のアンケートの結果、賛成は96%、反対は4%となっており、SNS上の調査結果では賛成が圧倒的となっています。しかしながら、賛成だが市内の別の場所を希望する人は28%、おおよそ3割を占めていることも分かりました。

西金沢駅界隈は旧来からの住宅街という雰囲気が根強く、公共交通アクセスや飲食店の少なさ、さらに送迎の渋滞等を不安視する意見が多いです。

交通アクセスや飲食店の少なさは開業後に状況に応じて出店するでしょうし、公共交通アクセス見直せばなんとかなりますが、送迎の渋滞の問題、それ以上に第一に地元住民との折り合いはしっかり議論して解決してほしいところです。

 

(進出するか否か、地元住民でもないので深々と意見は避けておきますが、)Zeppの金沢進出(土地云々の話は抜いて)を切り取って考えると、進出してほしいです。

Zeppの特徴として、バンドやアーティストのツアーで候補地に選ばれることが多いです。

なぜツアー候補地に選ばれやすいか調べると、Zeppブランドでライブホールを全国展開していることが強みのようです。例えば、ステージの幅や音響、照明設備が同じなので、どの会場も同じセッティングで使用できるそうです。そのため、照明や音響などの設定データが使いまわすことが可能なので、他のライブハウスに比べて容易にセットできます。

こういった経緯から今まで以上に容易にアーティストがライブを開催しやすくなります。

わざわざ県外へ行かずにライブに行けることは、文化施設と考えると非常に効果は大きいものだと考えます。

 

設計図面もできており、あとは着工を待つのみの段階で、市内の別の場所に建設するということはよほど折り合いがつかない限り難しいと思われます。

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