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兼六園の見城亭が隈研吾氏設計でリニューアル!2019.11

兼六園の茶店通り(江戸町通り)沿いにある、茶店「見城亭」がリニューアルしました!

隈研吾氏の設計でリニューアルが行われ、2019年11月10日(日)より営業を再開します。

 

外観

外観はこのような感じになりました。

 

元の姿は撮影していなかったため、ストリートビューから同じアングルを見て見ました。

外観は大きく変わらず、茶屋通りの景観に調和するものとなっています。

 

茶屋通りの建物と絡めても連続性のある外観です。

 

見城亭の看板は従来からのもので、建物は大正時代からの建築物となります。

 

 

2階外観も大きな変更点はなく、外観はリニューアル前の意匠をそのまま活かしています。

 

エントランスには見城亭の大きな暖簾が掲げられています。

ロゴは「城」をデザインしたものとなっていますね。外国人観光客にもわかりやすいようにアルファベット表記もしてあります。

 

1階は兼六園を望むカフェに

エントランスは天井を取り払った、吹き抜け空間が広がり、2階からの採光で自然光の明るい雰囲気があります。

 

1階はカフェとなり、パフェや和スイーツなどが食べられる空間となっています。

 

窓際のカウンターからは兼六園の木々を見ることができ、自然を感じながらゆっくりとすることができます。

 

紅葉が見頃の木々がお盆に反射し、とても綺麗です。

(余談ですが)個人的に特に美味しかったのは、珠洲市の二三味珈琲を使用したコーヒーゼリーでした。

 

2階は金沢城を望むレストランに

2階のほうへ上がると、レストランとなっており、朝食や昼食、土曜日には夕食を食べられます。

 

元々は畳敷き(和室)だったところが、床に変わり、大きく変化しました。

 

2階からも兼六園の木々を眺めることができます。

 

そして、金沢城を見ることができるのが大きな特徴です。

 

2階の大きな窓から、金沢城石川門を見ながら食事ができる空間となっています。

 

 

また、個室を希望する方には、VIPルーム(個室)が1室あります。

 

 

個室の様子です。完全に仕切ることができるので、プライベートな空間で食事をすることができるようになっています。

 

 

食事は石川県や北陸で採れた野菜やお魚を中心に、伝統的な加賀料理をいただくことができます。

 

隈研吾氏の設計・意匠について

最後に、建築的な観点で見ていこうと思います。

リニューアルは建築家・隈研吾氏の設計の下、行われました。

隈研吾氏は新国立競技場の設計などを担当し、金沢市内では大樋ギャラリー太陽丘保育園などを手掛けています。

見城亭では、外観や建物の形は改変することなく活かし、内装は和モダンなデザインに大きく雰囲気が変わりました。

 

特に1階と2階の照明に使われているシェードは隈さんの考案とのこと。

 

和紙の裏に金箔を貼ったものが使用されており、独特の質感、高級感があります。

 

 

また、1階から2階にかけては木を組んだデザインとなっており、隈さんらしい意匠が垣間見えました。

大正時代の梁などが見えており、茶屋通りの建築物は金沢町家とはまた違う構造なのかなと思いながら眺めていました。

 

階段にかけての意匠も同様に隈さんらしさが出ていますね。

 

トイレのサインは雪吊りのようなかわいいデザインでした。

 

耐震補強には小松マテーレの炭素繊維新素材「カボコーマ ストランドロッド」が使用されています。

 

 

炭素繊維を用いており、比重は鉄の1/5と軽量で、引張力に強い特徴を持ちます。

富岡製糸場や善光寺経蔵の耐震化工事に用いられた実績があり、今後注目の新材料です。

 

金沢城から兼六園へ向かう入口にたたずむ茶屋「見城亭」のリニューアルの様子を見てきました。茶屋通りの外観は大きく変わらずとも、新旧が融合した内装と美味しい料理は”ちょっと休憩”、”金沢らしさがある食事を堪能したい”ニーズを満たす新スポットとなるのではないでしょうか。

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