高岡信用金庫本店は高岡市守山町の重要伝統的建造物群保存地区内にある信用金庫です。
旧本店ビルは昭和37年（1962年築）で完成から半世紀以上が経過し老朽化が進んでおり、全国でも珍しい土蔵建築の信用金庫本店として建て替えられました。（解体・建て替え前の写真）
概要
高岡信用金庫本店
延床面積：4,312.76㎡（このうち本店は1,606㎡）
階数：地上5階建（本店は2階建）
竣工：2017年3月
周辺は山町筋重要伝統的建造物群保存地区（重伝建）となっており、沿道の建物は新築の際、ガイドラインに沿った建物を立てる必要があります。
高岡信用金庫本店は土蔵造りを模した外観となり、全国的にガラス張りの銀行建築が増える中でいい意味で異彩を放っています。
構造はRC造となりますが、外観には本物の黒漆喰を用いており、まるで明治時代に建てられたかのような、街のシンボルとなるような建物となりました。
正面から見た様子です。
窓はいわゆる観音開扉となっており、土蔵建築の特徴の一つです。
火災時にはこの扉を閉めることで、火の廻り込みを防げます。
高岡信用金庫本店の観音開扉には高岡の産業であるアルミ鋳造で作られているようです。
エントランス周辺の様子です。
駐車場が設けられており、しっかりと銀行店舗としての機能も確保しています。
柱は釉薬煉瓦風のタイルが用いられており、こちらも高岡の伝統的な土蔵造りを踏襲しています。
遠景です。
パッと見るだけでは現代に建てられたようには見えませんね。
巴瓦には高岡信用金庫のロゴが描かれています。
ATMコーナー（手前）も非常にモダンな雰囲気です。
高岡信用金庫本店周辺の様子です。
本店がある山町筋、かつては北陸のウォール街と称されるほど商都高岡の中心地として発展したエリアで、現在も富山銀行本店や証券会社の本店、そして土蔵造りの街並みが広がっています。
景観に調和する建物となりました。
また、土蔵造りの本店裏側には、本部棟が建設されており、信用金庫の本部としての機能があります。
さらに隣接して白漆喰風の別館が建っており、アドレナリンを開発した高峰譲吉博士の生家跡地ということもあり、高峰譲吉博士 展示コーナー等があります。
高岡の古くからの街並みと現代まで受け継がれる伝統技術を生かした、今まで見たことのない信用金庫に圧巻でした。
