金沢駅西口の西日本ジェイアールバス金沢営業所が金沢市乙丸町に移転することが決まりました。
これにより、懸案だったJR西日本広岡社宅及びバス車庫跡地の再開発プロジェクトがいよいよ本格化します!
これまでの経緯
これまでの経緯をおさらいしておきます。
プロジェクト自体がスタートしたのは2012年で、エリア内で温泉掘削が行われました。
ジェイアールバス金沢営業所については、
2016年2月に
「現在、着手の時期や開発内容など具体的な計画は未定となっているが、同社の社宅、バス営業所の移転先について候補地の選定調査を進めている。」
という旨の発言が北國新聞に掲載されました。
これにより、西日本ジェイアールバス金沢営業所も再開発エリアに含まれていることが明らかになりました。
当ブログでもその発言を取り上げて、記事にしています。
西日本JRバス金沢営業所は移転、跡地は再開発へ?ー金沢まちゲーション
それから、しばらく音沙汰が無かったのですが、2017年11月8日の北國新聞に、
「金沢市広岡3丁目の金沢営業所を同市乙丸町へ移転する方針を固めた」
と掲載され、これからプロジェクトが本格化するものと思われます。
乙丸町へ移転が決定
西日本ジェイアールバスは移転用地として乙丸町の農地約11,800㎡を確保しました。
スケジュールとしては、2018年度中に用地の造成と新営業所の建設を進め、2019年度に移転する予定です。
周辺はユナイテッドシネマ金沢やスーパーセンタームサシなどが立地するほか、JR西日本金沢総合車両所などが近い場所です。
現在の立地状況
現在の金沢駅西口のJRが所有する敷地について見ていきます。
所有する敷地面積は約37,000㎡です。
オレンジで囲ってある部分が、JR西日本が所有する土地
水色で囲ってある部分が西日本ジェイアールバス金沢営業所となります。
金沢駅から徒歩圏内の非常に好立地なエリアです。
(図は2016年4月作成)
オレンジで囲ってある部分を拡大するとこんな感じです。
現在は、JR西日本の広岡社宅、ジェイアールバス金沢営業所が建っています。
また、
再開発プロジェクト第1弾としてJR体育館跡地にJR金沢駅西第一NKビルが2014年6月に竣工(オレンジ色の部分)
再開発プロジェクト第2弾として広岡1丁目交差点角にJR金沢駅西第二NKビル(スコール金沢)が2017年3月に竣工(黄緑色の部分)
しています。
金沢市の都市計画では2015年5月に旧社宅敷地内に市道を新設することが決定しています。
新設される市道は幅員12m、2車線片側歩道のものということです。(図の赤色部分)
同時に高さ制限も変更が行われ、かつては高さ制限20m以下の住居地域だったものが、金沢駅に面する通りから新設される市道までの区域が高さ45m以下、市道から金沢市企業局までの区域が高さ31m以下の商業地域へと都市計画が変更されました。だから、高さ的にも金沢フォーラスくらいの建物が建設可能になります。ホテルなら11~12階、マンションなら15階相当の建物が建設可能です。
市道が新設されると、西日本ジェイアールバス金沢営業所と周辺部を含めて約7,500㎡の土地が一つの開発エリアになると思われます。(水色で囲った部分が約7,500㎡)
敷地面積7,500㎡といえば、金沢駅西口のハイアットセントリック、ハイアットハウスのツインタワーが建設される敷地とほぼ同じです。
(ハイアットセントリック/ハイアットハウスのツインタワーの建設現場)
敷地面積からすると非常に広いです。金沢駅周辺の広大な敷地では最後になると思われます。
それ故に、相応しい開発を行ってほしいです。
噂では・・・
北陸建設工業新聞によると、オフィスビル、医療施設に続く、第3弾プロジェクトとしてホテル構想案が挙がっているそうです。
以下は私見ですが、ホテルと言っても、JR系のホテルから都市型ホテル、外資系ホテルと様々な選択肢があるものだと思われます。
そして、ホテル+αとして商業施設やオフィスを組み合わせて複合ビルにする形態も考えられ、それに関してはJR西日本不動産開発の正式発表を待つしかありません。
ただ、金沢市では2017年から2020年までにホテル客室数が2000室以上増加すると言われています。
そのうち、1500室以上が通常のビジネスホテルや宿泊特化型と言われるホテル業態で、これ以上の宿泊特化型ホテルの計画浮上はホテル競争が一段と激しくなり厳しいものになるという意見もあります。
そのため、個人的にはホテルになるなら外資系ホテルなどラグジュアリーブランドまたは、JRブランドを活かした特徴あるホテルが良いかと思っています。
個人的には2020年に開業を迎える、ハイアットセントリック/ハイアットハウス金沢のツインタワーから駅西社宅跡地エリアまで賑わいが連続するような施設になって欲しいところです。
その他のエリアは・・・?
残りの社宅跡地のエリア(約18,000㎡)は、どうなるのか全くの未定です。
ただし、気になるプロジェクトもあります。
それが、金沢アリーナ構想です。
浦建築研究所は、Bリーグの金沢武士団(サムライズ)の本拠地となるアリーナ整備構想の実現を目指していく。事業計画策定は「(仮称)金沢アリーナ整備・運営計画 官民連携協議会」が担う。5000人以上のアリーナ整備を想定する。(建設通信新聞-https://www.kensetsunews.com/archives/105142)
金沢アリーナ構想はバスケットボールBリーグの金沢武士団の本拠地となるアリーナ整備の実現を目指す構想です。
ただ独自に構想しているわけはなく、スポーツ庁のスタジアム・アリーナ改革推進事業に全国から4件採択されたうちの一つとなり、アリーナ調査費が計上されました。
国からも一定の評価が得られているプロジェクトで、実現すれば新しいアリーナが誕生することとなります。
なぜ、この記事で金沢アリーナ構想を書いたかというと、朝日新聞に掲載されたこちらの記事 石川)武士団に多額支援 日成ビルド工業森岡社長に聞く によると、
――金沢には大規模アリーナはありません
サムライズから新たなアリーナ建設に協力してもらえないかと言われています。大きな開発の話です。どこに建てるか、どのくらいの規模か、資金面などの調査に協力している。造るなら1万人規模で金沢駅西側の徒歩圏内が理想。
と書かれており、金沢駅西側の徒歩圏内に1万人規模のアリーナを作る用地を考えると社宅跡地のエリアしか考えられないかという個人的予想です。
実現すれば、金沢駅直結の1万人アリーナとなり、金沢武士団の試合の他、コンサート・ライブで利用することも可能になります。
ぜひとも実現してほしいところです!
金沢駅から徒歩圏内最後の広大な土地だけに夢も膨らむエリアとなっています。どのような開発が行われるのか今後も注目していきたいと思います。