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隈研吾氏の建築に!小松市・九谷焼製土工場が建て替えへ

小松市にある九谷焼の製土工場の老朽化に伴う建て替えで、新国立競技場の設計を手掛ける世界的建築家の隈研吾氏の建築となることが明らかになり、2017年2月15日にその概要が明らかになりました!

 

完成イメージ

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(平成29年度当初予算案概要-プレスリリース資料.pdf 小松市 より引用)

周辺の田園風景に調和した建築で、屋上緑化された屋根に、スギの木を用いたものとなります。

 

 

 

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(平成29年度当初予算案概要-プレスリリース資料.pdf 小松市 より引用)

また、利用者の交流の場となる、開放的な外土間をデザインしたことも特徴です。

 

 

概要

九谷焼創作工房(仮称)
木造平屋建て
敷地面積:2703㎡
延床面積:630㎡

 

 

製土場とは?

九谷焼の産地といえばどこのイメージを持つでしょうか?

発祥とされる古九谷のある加賀市、九谷茶碗まつりのある能美市も知名度が高いですが、小松市でも窯が多く残り、人間国宝である三代 徳田八十吉などが拠点を置いています。

また、小松市は九谷焼の器を作るために必要な陶石(花坂陶石)の産地であり、陶石を陶芸できる粘土に仕上げる必要があります。その作業を行う場所が製土場というわけです。

 

今回整備される施設には、製土場の他にも交流施設としての機能があり、若手作家の工房、陶芸体験コーナー、展示・販売エリアなども設けられる予定となっています。

また、日本遺産になった「小松の石文化」を発信する産業観光の拠点としても整備されます。

 

 

 

“地元産”を活かした隈研吾建築

新国立競技場を手掛ける世界的建築家隈研吾氏。

芸術性とともに地元産にこだわった素材を使用し建築するのが特徴です。

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富山市内の再開発ビル「TOYAMAキラリ」も隈氏の建築で、外装には、富山のアルミ、ガラスが使用され、内装は立山のスギの木が用いられています。

 

今回建設される建物でも地元産が活用されています。

小松の石文化に関連して、内装には小松産の石材や小松産の木材を使用します。

小松産の石材と言えば日華石でしょうか。山間部に石切り場があり、加工しやすく熱に強いという特徴を持ち、国会議事堂の廊下の一部、モダン建築の武庫川女子大学甲子園会館(旧甲子園ホテル)、さらには世界遺産の平城宮跡にも使用されています。

小松市では蔵や平垣など至る所で見ることが出来る石材です。

 

 

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また、小松産の木材はスギが使用されるそうで、小松産のスギの銘木と言えば、日用町の日用杉でしょうか。

昔から良質な杉として有名で、実は隈研吾氏も東京・国連大学茶室の建築の際に日用杉の産地を訪れ、採用されました。

 

 

 

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そして、屋根の屋上緑化には小松精練が開発した「グリーンビズ」を使用予定。こちらも隈氏が以前から興味を示していたもので、富山市内の建築に採用されています。

 

 

完成予定は?

完成予定は2019年春となっています。

小松の石文化の発信と同時に、産業観光の拠点の一つとなってほしいですね。

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