富山市は富山駅南口の通称「南西街区」に中心市街地の活性化や賑わい創出及び観光振興に寄与する施設を導入することを検討しており、民間事業者の提案を募集しました。
募集では2者からの応募があり、JR西日本不動産開発グループが優先交渉権者となりました!
計画の概要
(富山駅南西街区市有地活用事業に係る優先交渉権者の決定についてー富山市 より引用)
完成イメージはこちらです!
敷地面積:約7,930㎡
延床面積:約40,000㎡
構造:鉄骨造 地上12階
富山市の発表では富山市が所有するL字型の土地4,200㎡が対象で、JR西日本が所有する3,700㎡は「基本的には市有地を対象とする。ただし、隣接地との一体的な利用という提案も考慮するとの前提で進めたい」とのことでした。
優先交渉権者となったJR西日本不動産開発グループはJR西日本グループなので、土地を一体的に活用する提案に関しては(他の民間企業が)わざわざJR側と交渉する必要が省ける意味でも優位性はあったのかもしれません。
結果的に敷地面積7,900㎡をフルに活用できる大型開発が実現できました。
フロアの概要
フロアの概要は以下の通りとなります。
ホテル | 4階~12階 |
商業施設 | 1~4階 |
駐車場 | 1~5階 |
ホテルはヴィスキオが進出
4階から12階までがホテルとなります。
ホテルはJR西日本ホテルズの宿泊主体型ホテル「ヴィスキオ」が北陸地区初進出となります。
(JR西日本ホテルグループ新ホテルブランド名とシンボルマークが決定~「HOTEL VISCHIO(ホテルヴィスキオ)」誕生~ーJR西日本 より引用)
ヴィスキオは2017年に誕生したJR西日本のハイクラス宿泊主体型ホテルと位置付けるホテルです。
グランヴィアがJR西日本の都市型ホテルなのでそれに準ずるブランドの位置づけですかね。
金沢駅西口にあるJR西日本系のホテルヴィアインは株式会社ジェイアール西日本デイリーサービスネットが運営するビジネス特化型のホテルなので経営自体も異なります。
客室数は190室で温浴施設、ホテル内の飲食店を備えます。最近のホテルは温浴施設とセットで建てられることが多くなりました。
旅や出張の疲れを癒せそうです。
商業施設は60店舗で構成
そして商業施設は物販店、飲食店、サービス店など約60店舗で構成されます。
運営は富山ターミナルビル株式会社となります。
個人的に2017年6月に書いた記事(富山駅南口 南西街区の開発は活用策を公募へ)で、「中心部を完全ストローするような規模の大型商業施設を想定することは考えにくい」と書きましたが、やはりその辺りは配慮しているのか金沢フォーラスのような200店舗規模の大型商業施設ではなかったです。
しかし、市とJRの土地の一体的な活用ができたおかげで、60店舗の商業施設が誕生することは駅へ足を運ぶきっかけになるのではないでしょうか。
向かいには、同じく富山ターミナルビル株式会社が運営する商業施設「マリエとやま」があります。
現在、82店舗(ATM・サービス店すべて含む)あり、完成すれば駅前に2つで150店舗規模の商業施設が誕生することになります。
大型の立体駐車場も
また敷地の裏手には収容台数400台の立体駐車場が設けられます。
建物が分離されるわけでなく館内に入るような形になるのかと思われます。
工事のスケジュール
工事のスケジュールは、
2019年12月に工事を着工、2022年春の開業を目指すとのことです。
ちょうどこの時期に南北を貫く都市計画道路が完成するのかもしれません。
現在の様子
現在の南西街区周辺の様子です。
富山市が所有する土地には、暫定的に飲食店「さかな屋富山湾食堂 撰鮮」が入る建物が建っています。
こちらの建物はあくまで暫定的に建設されたものなので、2019年12月までに閉店・解体されます。
そしてJR西日本が所有する土地はコインパーキングが広がっています。
この辺りは旧富山駅仮駅舎や仮設バスターミナルがあった場所で、フェンスに覆われています。
南西街区前には夕方になると定期的に移動販売車が乗り入れています。
建物が建つと1階にはカフェなどが入り、広場と一体的にオープンカフェやイベントなどで活用されそうですね。
ついに発表された南西街区の開発計画。
富山市内では総曲輪フェリオ以来となる60店規模の商業施設、そして北陸初進出のJR西日本のホテルなど、話題性もあり十分な計画になったといえるのではないでしょうか。
富山駅前の顔となる部分だけにテナントリーシングや広場活用のソフト面も注目されます。
南西街区の斜め向かいにはホテルJALシティ富山が建設されます。
過去記事
・富山駅南口 南西街区の活用に向けて募集要項を公表!2019年12月工事着手目指す
・富山駅南口 南西街区の開発は活用策を公募へ