歴史の小径は本多家上屋敷跡遊歩道(仮称)として、整備されていたものです。
本多公園から大乗寺坂にかけての区域は「加賀八家」本多家の屋敷跡であり、県立美術館裏の斜面緑地には上屋敷へ至る道跡とそれに付随する2基の石垣、石積み基礎の堀跡と門跡が残されています。
本多家上屋敷遊歩道はこれらの遺構を見学しながら歴史遺産にふれあえる空間として整備し、「美術の小径」や「緑の小径」と接続して本多町周辺の回遊性を向上させるものです。
(工事現場にあった張り紙より引用)
本多家の屋敷があった辺りは、上屋敷と中屋敷は県や市の公共施設に、下屋敷は住宅街になっています。
・石川県立美術館・石川県立歴史博物館などと本多公園を結ぶ「美術の小径」
・本多公園と鈴木大拙館・松風閣庭園を結ぶ「緑の小径」
の2本の小径が整備されていました。
中村記念美術館側から歴史の小径をたどって行きます。
見えにくいですが、写真右側が美術の小径の階段です。
数ヵ月前まで、写真左側の赤土の部分に重機が出入りしていましたが、修復され、従来の景観を取り戻しました。
階段を上っていきます
今までは美術の小径しかありませんでしたが、左側に歴史の小径の散策路が設けられました。
ちなみに美術の小径は小立野台地から流れ落ちる辰巳用水の滝のせせらぎを聞きながら散策できる小径です。
そして、今回供用された歴史の小径です。
美術の小径は夜間も通行可能ですが、歴史の小径は夜間の通行は禁止されています。
この周辺一帯にあった本多家の上屋敷について詳しく書いてありました。
階段は木に似せた現代風デザインを使用されており、階段下の遺構を踏まないように配慮してあります。
大木も見ごたえあります。
石垣についても説明がありました。
下段の石垣は金沢城にも用いられた戸室石が使用されています。
小径がくの字に曲がっていることが特徴的です。
上段の石垣は戸室石の上に川原石で増築されています。
木漏れ日が差し込みいい雰囲気でした。
奥には別ルート?の道が続いていました。
変遷なども学ぶことが出来ます。
石とアスファルト舗装の階段
階段を上ると、石川県立美術館の目の前に到着します。
夜間通行禁止であるため、時間になったら昇降する鎖型ゲートが用いられていました。
歴史の小径は規模としては大きなものではありませんが、廃道が江戸時代以来?の復活となり、歴史も学べる、回遊性も増す新たな小径の誕生となりました。
過去記事
・本多家上屋敷跡遊歩道(仮称)整備工事 2017.2
・本多家上屋敷跡遊歩道(仮称)整備工事 2017.1
・本多家上屋敷跡遊歩道(仮称)整備工事 2016.11