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【特集】 金沢港が開港以来の大改造に着手へ!中編

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金沢港が開港以来の大改造に着手されます!

どういった港に進化していくのか見ていきたいと思います。

 

前回は、クルーズ船の問題を挙げ、

1.客船用の埠頭に大型クルーズ船が接岸できない

2.大型クルーズ船の同時接岸ができないこともある

を解決する方策を見ていきました。

 

今回は、

3.CIQ施設が仮設テント

4.待合施設の老朽化

を解決する方策について書いていきます!

 

完全に前回の続きとなりますので、前編を見ていない方は、前編を読んでから中編をご覧いただくことをおすすめします。

【特集】 金沢港が開港以来の大改造に着手へ!前編

 

 

さて、おさらいですが、2つの問題についてもう一度見ていきます。

 

3.CIQ施設が仮設テント

CIQとは、関税・出入国・検疫という意味で、それらを行う、CIQ施設が仮設テントで行われているという点です。

大型クルーズ船が今後も定期的に寄港することを想定するならば、仮設テントではなく恒久化する必要性があるかと思われます。

 

 

4.待合施設の老朽化

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(金沢みなと会館)

観光客がまず訪れるのが、電車や新幹線なら駅、飛行機なら空港、港なら港湾ターミナル等の待合室ですよね。

最初に訪れる施設の印象は残るものだと思いませんか?

金沢駅だと、もてなしドームや鼓門のインパクトが残ったりします。

現在の金沢港の待合施設は昭和47年(1972年)に建設された金沢みなと会館です。

築45年が経過し、老朽化が進み、金沢港がなんとなく殺風景な印象を持ってしまう原因の一つだと思います。

 

これら2つを解消するのが以下の方策です!

 

 

 

金沢みなと会館の改築

昭和47年(1972年)に建設された金沢みなと会館が建て替えられます!

これは2016年9月時点では検討事項から外れていましたが、無量寺埠頭の浚渫工事前倒し決定から一気に機運が高まったものだと思われます。

 

金沢みなと会館の概要

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鉄骨造
3階建
延床面積:2,095.52 ㎡
用途:会議室、宿泊室、レストラン・喫茶

調べるまで知らなかったのですが、宿泊施設としての機能もあるみたいで、1泊素泊まり大人3290円、船員ならば1泊素泊まり大人2570円で宿泊できるみたいです。

朝食・夕食付きで大人1泊5450円みたいです。意外と穴場かも?しれません(笑)

 

しかし、現在の金沢みなと会館は築45年が経過し、非常に老朽化しています。

 

 

 

建て替えられる金沢みなと会館の完成イメージがこちら!

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(石川県より引用)

透明感ある非常にカッコイイ建物になります!!

名称も改築に伴い、「金沢みなと会館」から「金沢港クルーズターミナル」に変更されます!

特に、屋根の波打つ曲線が港らしい感じですね。

 

 

金沢港クルーズターミナルの概要

地上3階建て

延床面積:約7,000㎡

用途:CIQ(関税・出入国・検疫)、待合施設、会議室、レストラン、オフィス、売店、展望デッキ

 

金沢港機能強化整備2
(石川県より引用)

 

1階

金沢港クルーズターミナルの1階には、主にCIQスペースと待合施設が設けられます。

CIQスペースや待合施設は今までの金沢みなと会館とは大きく異なり、天井が高く開放的な空間となり、従来よりもスペースが大幅に広くなります。

特にCIQスペースでは2000人が一気に入国手続きを行われるため、それに対応した広さになっています。

また、待合施設に隣接して観光案内所や売店ができるみたいですね。これは客船が寄港した際に暫定的に使用されるものかもしれませんが、今までは全くなかったわけで、特に売店に関しては周辺は工業地域なのでコンビニすらなかったため、ようやく売店の機能も備わるのかという感じです。

 

 

2階

そして、2階には展望デッキやレストラン、セミナールームが整備されます。いずれも、金沢港を一望できるものとなりますね。

レストランは現在も金沢みなと会館にあるものがそのまま移転するのでしょうかね?

セミナールームは会議室としての利用のほか、子供たちの港湾学習の場としても活用されるみたいです。ガラス越しに金沢港が一望できる素晴らしい空間になります。

また、地味に力を入れているな、と感じるのが展望デッキです。

展望デッキは見送りや見学ができる屋根付きのスペースとなっています。

雨の多い金沢では客船の見送りは雨の日の場合はどうしても人が少なくなりがちですが、屋根付きの展望デッキがあれば、雨の日でも見送りがしやすいですね。

 

 

3階

3階には、金沢港湾事務所、金沢港運、金沢港振興協会が入居します。

金沢港湾事務所は港湾合同庁舎隣接地より移転してきます。

金沢港運も金沢港湾事務所に隣接した場所から移転してきます。

金沢港振興協会は金沢商工会議所より移転してきます。

これにより、関係機関の連携をはかることが出来ます。

 

 

冬季利用について

クルーズ船はシーズンである夏を中心に運航されます。

2017年は3月30日に第1便が寄港し、10月10日に最終便が寄港予定です。

10月~3月のおよそ半年のオフシーズンをどのようにして利用するかが課題となっていました。

1階のCIQスペースと待合施設は一体利用が可能な構造となり、CIQスペースに関しては柱を1本も設けない構造となりました。

このため、冬季は柱が1本もない構造を活かして、子供向けのスポーツの場としての利用を想定しているとのことです。

CIQスペースは約1,200㎡あります。どのようなスポーツに活用されるか不明ですが、例えばフットサルならば、1面であれば利用できそう?です。

 

また、CIQスペースと待合施設を合わせれば、約2,000㎡となります。

各種イベントや展示会としての活用も想定しているみたいです。確かに、2,000㎡の空間があれば、イベントも可能ですし、展示会の開催も可能です。

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(金沢みなとフェスタの賑わい-大浜埠頭にて)

あくまで活用例の一つみたいで、様々な活用策が出てくるだろうとしています。

 

 

 

駐車場が大幅に増加!

駐車場も現状より大幅に増えることになりました。

現在は無量寺埠頭の浚渫工事で駐車場の大半が利用できない状態が続いていますが、かつては、630台の駐車スペースがありました。

これでも十分多い感じがしますが、金沢港クルーズターミナルの前には900台の駐車スペースが設けられることが明らかになりました!

バスの駐車場、一般客の乗用車の駐車場、クルーズターミナル来訪用の駐車場になります。

クルーズ船の見学、見送りだけでなく、イベントやスポーツ、展示会で訪れる方も気軽に駐車が可能になります。

 

 

 

50m道路が無量寺埠頭方面へ延伸!

現状では金沢駅から金沢みなと会館へのアクセスは50m道路を金沢港交差点の突き当りまで進んで、左折して、再び右折して入る必要がありました。

しかし、アクセス道路の改良も行われることになりました!

計画では、海上保安庁の巡視船などが停泊している船溜まりを埋め立てて、無量寺埠頭(金沢港クルーズターミナル)へと延伸するものとなっています。

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(手前の船溜まりが埋め立てられます)

 

 

こちらは図で解説します。

【現状】

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こちらが現状の金沢港周辺です。

50m道路から進入すると、左折しないと無量寺埠頭に入れないというのが分かりますよね?

 

【大改造後】

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そして、2019年度の完成後はこんなイメージです。

50m道路から直進すればそのまま無量寺埠頭に入れるようになります。

そして、若干雑ですが、クルーズ船の寄港イメージも描いてみました。

無量寺埠頭側は2バース整備されますが、全長が大きな大型クルーズ船は1隻の寄港になると思われます。

よって、大型クルーズ船が2隻寄港する場合は無量寺埠頭と戸水埠頭で1隻ずつになります。

船溜まりも埋め立てられ、戸水埠頭と金沢港クルーズターミナルの行き来も容易になります。

 

 

これらの整備で、

3.CIQ施設が仮設テント

4.待合施設の老朽化

を解決できそうです。

 

殺風景な金沢港に賑わい空間が完成しそうですね。

いずれも2019年度末の完成を予定しています!

 

続いては、金沢港の貨物について見ていきたいと思います。

次回へ続く・・・!

 

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