国連ハビタット福岡本部や福岡アジア研究所などが主催する「アジア都市景観賞」に「小松駅周辺整備事業~こまつの杜、サイエンスヒルズこまつ~」が受賞しました!!東海・北陸地方では初の受賞となりました。
アジア都市景観賞とは?
アジアの人々にとって幸せな生活環境を築いていくことを目標とし、アジアの優れた都市景観の形成に寄与し、他都市の模範となる優れた成果をあげた都市や地域などを募集選考す表彰する景観に関する国際賞である。
エントリー総数41件のうち、本年度の受賞件数な15件、日本での受賞は4件となっている。
(報道資料:「小松駅周辺整備事業~こまつの杜、サイエンスヒルズこまつ~」2016アジア都市景観賞受賞 -小松市)
過去にアジア都市景観賞を受賞した都市(国内)
・松江市
・松山市
・長崎市
・広島市
・玖珠町(大分県)
・倉敷市
・南魚沼市
・姫路市
・鹿児島市
・萩市
など、全国各地様々な特色を持つ都市が選出されています。
今年度も含めると、これまでに14のアジアの国や地域で79都市が選出されています。
小松駅周辺が選出された理由
小松市によると、こまつの杜やサイエンスヒルズこまつなど、科学的な体験施設が立地する駅東側と、伝統的な町家が並ぶ駅西側の対比が評価されたとみられる、としています。
上の写真は小松駅西口の「れんが通り商店街」です。奥に見えるのが小松駅です。
石川県の「都市ルネッサンス事業」の一環で、外壁にレンガを用いた修景整備が行われ、全国でも珍しい取り組みで商店街の活性化につなげています。
科学的な体験施設が立地する小松駅東側
小松駅東側はかつての「コマツ小松工場」が立地していた場所であり、世界第2位の建機メーカーコマツの創業の地でもある場所です。
2010年に工場閉鎖後はコマツと小松市が一体的に工場跡地を整備し、新しい街「こまつの杜」が誕生しました。
この曲線状の美しい建築は「サイエンスヒルズこまつ」と呼ばれる、科学館が核となった複合施設です。
建物がいくつもの丘になっており、屋根が屋上緑化されており、実際に屋根の上を丘を歩いているような気分で散策できます。
奥には晴れた日には霊峰白山を望むことが出来ます。
館内には科学館の他、展示会にも使用できる日本海側初となる3Dドームシアター、見本市や展示会、イベントに利用可能なホール、ミシュランガイドにも掲載されたレストラン「リストランテジン」、インキュベート施設などが入っています。
北陸有数のものづくり都市、工業都市の小松市ならではの施設です。
隣りには、コマツの新人研修などで使用される「コマツウェイ研修センタ」があります。
旧コマツ小松工場の一部分も再活用されています。
コマツが整備した都市公園「こまつの杜」が駅に隣接しており、まるで公園の中にある駅のようです。
そして、シンボルとなる巨大ダンプカー930Eが構えています。
実際にチリの鉱山で稼働していたもので、時間が合えば運転席に乗ることも可能です。
そして、こまつの杜では里山が再現されており、自然と人との関わりを学ぶことが出来ます。
駅前のかつては建機の工場だった場所に現在は里山がある一方で、サイエンスヒルズこまつなど未来の技術者を育成する施設がある新しい街として発展している小松駅東口。
伝統的な町家が並ぶ小松駅西側
一方で、小松駅西口は江戸時代から繫栄した小松市の旧市街地で、現在も多くの町家が残っています。
個人的には町家が連なって残っている街をいくつも見てきましたが、小松市が規模としては一番じゃないかと思っています。
最近の古い町並みは観光地化されてしまって…
と聞くこともありますが、小松市は観光地化されておらず、当時の街並みが当時のまま残っているというのが特徴です。
私自身は建物(特にビル)が好きな面もありますが、こういった新旧の対比ができる街(金沢など)が特に興味があります。
その中で、小松市が新旧の対比が素晴らしい都市景観を作り上げたうえで、アジア都市景観賞を受賞するのは大変うれしいです。
今後は北陸新幹線小松駅が開業予定など新幹線開業に向けた都市計画が加速すると思われます。
さらに、イオンモール新小松の開業や公立小松大学(仮称)の開校等も控えたうえで、小松駅周辺の役割とは何か今一度考えたいところです。
今後も全国の都市景観の見本として発信していってほしいです。
アジア都市景観賞の授賞式は2016年10月30日に行われます。