金沢市竪町にある商業施設「金沢パティオ」の3階、4階、5階フロアが「グランピング」をテーマにしたホテル(簡易宿所)に生まれ変わることになりました。
キャビンタイプと個室が整備され、合計131床のホテルになります。
金沢パティオは大型テナントの閉店や移転が相次いでいましたが、ここで大きく業態変換することとなります。
概要
名称:(仮称)8POINT INN KANAZAWA
所在地:石川県金沢市竪町
開発事業者:㈱フェリーチェ
設計者:Style Agency
客室数:131床
工事の着手予定日:2019年4月1日
工事の完了予定日:2019年7月31日
開発事業のお知らせ看板が設置されていました。
金沢パティオについて
金沢パティオは2007年に建て替えられ、タテマチストリートの核となる商業施設の一つです。
開業当時の様子が金沢経済新聞さんにまとめられていました
https://kanazawa.keizai.biz/headline/46/
どのショップも話題に満ちていましたが、なんと言っても、開業当時の目玉はファストファッションブランドのZARAが北陸地区初出店を果たしたことですね。
しかも路面店かつメゾネット式店舗としての形態で、「北陸の原宿」と言われた竪町らしいオシャレな雰囲気でした。当初から地下1階が埋まらず、イベントスペースとして出発しましたがファッションショーなどの催しがあり大いににぎわっていました。
こちらは2013年の様子です。路面店にはZARAとadidasショップ。
地下1階にはラブロ片町(現在は片町きらら)から移転してきたヴィレッジヴァンガード、セリアが新規出店。
3階にはユザワヤが北陸地区初出店を果たすなど、ついにほぼ満床状態になっていたのですが・・・
ユザワヤは開業から1年ほどで閉店、開業からあったWEGOが実質的に金沢フォーラスへ移転(2016年閉店)、アディダスオリジナルスショップも金沢フォーラスへ移転(2018年閉店)、ついにはZARAもイオンモール新小松店開業と同時に閉店(2017年閉店)となり、核テナントの流出が止まらない状況となっていました。
そこで、3階から5階の大部分が簡易宿所として再出発を図ることとなりました。ZARAの区画は引き続きテナントを募集するのだと思われます。
ちなみに、アディダスオリジナルスショップ跡地にはスピンズが移転してきて、ヴィレッジヴァンガードなどと相乗効果も見込めそうです。再び、パティオ全体で見るとテナント床が埋まってきています。
フェリーチェについて
今回、ホテル(簡易宿所)を開業することとなったフェリーチェについてみていきます。
フェリーチェは、沖縄県那覇市に本社を置く会社で、主に、潰れたホテルの再生も手掛けており、女子旅向けやビジネス向けなど独自のコンセプトでホテルを展開中です。金沢では新築物件ではなく、簡易宿所として開業します。
建設工業新聞によると、
- キャビンタイプと個室(ツイン&トリプル)を合計131床整備
- 一部にエクササイズ、シェアオフィス、ダイニングスペースとして活用
- 「インナーグランピング」がコンセプト
とのことです。
まず、客室はキャビンタイプも整備されるとのこと。キャビンタイプといえば、
2018年8月に開業した「ファーストキャビン」が思い浮かびました。ファーストキャビンは「キャビン」と呼ばれる、カプセルホテルより大きなコンテナ型の箱が個室になっており、グレードとしてはカプセルホテルとビジネスホテルの中間だと言われています。
金沢パティオに設けられる「キャビン」も同様の定義で整備されるのかもしれません。
ツインとトリプルについては個室で整備されるとのこと。
また、インナーグランピングというのも気になりますね。
グランピングはグラマラス(魅惑的な)とキャンピングを掛け合わせた造語で、アウトドアにありがちなテント設営や食事の準備の煩わしさを伴わない、自然の中で豪華な滞在ができるとしてアウトドア好きの方にここ近年流行している自然と快適のいいとこどりスタイルです。
インナーグランピングとは、(調べても出てこなかったのですが)建物内にいながらグランピング気分が味わえるという意味でしょうか。
まだ工事が始まっておらず、居抜きの状態になっていました。
竪町で相次ぐホテル
タテマチストリートではホテルの開業・計画が複数あります。
2017年にはカナメインタテマチが開業し、今までのタテマチストリートの雰囲気ががらりと変わるデザイナーズホテルとなりました。
また、旧長崎屋として開業し、跡地を長らく「テミス」として運営してきた、フローリッシュビル跡地も解体され、ザイマックスによるホテルになる計画です。
今後もホテルとしての計画が増えていくと客層も少しずつ変化していきそうです。その変化で周辺のショップも変化していくのか気になるところです。