金沢市は2つの台地と2本の川が作った平地(及び河岸段丘)からなる街で、台地と平地を行き来するためにたくさんの坂がある「坂の街」となっています。
そして、台地から流れ落ちる名前の無い滝も市内の至るところにあったりします。
今回訪れたのは金沢市のなるわ滝です。
タイトルの通り、個人的には流量と落差ともに「日本一小さい滝」ではないか?と思っています。
日本一大きい滝は…
ちなみに日本一大きい滝(落差)は、富山県立山町にある称名滝です。
ゴールデンウイークにいると雪に覆われているのですが、落差は350m、東京タワーが1本すっぽりと埋まる感じですね。
向かって右側に見えるのは「ハンノキ滝」と言われる滝で、こちらが落差約500m、東京スカイツリー第2展望台(450m)以上すっぽりと埋まります。
ハンノキ滝のほうが大きいのではないか、と思われた方もいると思いますが、これは雪解けや大雨の時だけに見られる滝なので公式レコードには登録されないようです。
日本一小さい滝は…(ネット調査)
一方、日本一小さい滝についてインターネットで調べると、長野県須坂市の臥竜公園内にある弁天滝がヒットします。
滝の音も心地よいですね。
農業用水を引っ張ってきて作った滝とのことで、想像以上に立派で驚きました。
鳴和滝へ・・・
というわけで、早速なるわ滝へ行ってみます。
滝周辺に駐車場が無いので、駐車場に停め、住宅地を歩いていくと分岐があります。
ちなみに国道359号線に並行した住宅街の通りなのですが、こちらは旧北国街道となります。
交差点に立派な石柱が。
「石川縣十名所義経旧跡鳴和瀧」
石川県の十名所ということで?期待が高まります。
道を折れると、昔からこの道幅であろう細い路地を緩やかに登っていきます。
道を進んでいくと神社に突き当たります。
階段を上る手前で滝のせせらぎが聞こえてきます。
神社に向かって右側へ進むと…森に囲まれた空間が
ありました!こちらが「なるわ滝」です!
細い一本の筋が筒から流れ落ちています。
落差は2m~3mほどでしょうか。
これを滝というのか、賛否両輪が分かれそうですが、滝である決定的証拠があります。
国土地理院の地理院地図に「滝」として登録されていることです。
滝の地図記号がしっかりと書き込まれています。
(※冒頭で紹介した臥龍の滝は地図記号がありませんでした)
国土地理院の滝の定義を見て見ると…
滝とは、流水が急激に落下する場所をいいます。ふつうは高さが5メートル以上で、いつも水が流れている有名な滝や好目標となる滝を表示しています。
滝のはばが20メートル未満のものは滝(小)、はばが20メートル以上のものは滝(大)で表示します。
(国土地理院)
この場合、高さが5m以上無いと思われるので、いつも水が流れている有名な滝として定義されるのでしょうか。
金沢市観光協会が作成した鳴和の滝の石板によると、
謡曲「安宅」に依る源義経 弁慶一行、しばしの憩をもとめ、酒宴をはかり談義せし場所
とあります。
加賀の国の守護・冨樫介と義経一行が、この滝の上で酒宴を催し、弁慶が舞いながら謡ったと伝えられることが由来とのことです。
「鳴るは瀧の水 日八照るとも絶えずとうたり」と謡っています。
ここから、なるわ滝、つまり一帯の「鳴和町」の由来となっているわけです。
鹿島神社の境内に古い石柱も立っていました。
境内からは2本の水が流れ落ちる様子が見られます。
今でこそ塩ビ管から流れていますが、源流は鹿島神社周辺の湧水で、当時はもっと勢いがあったのかもしれません。
神社の境内
境内の階段からは金沢市街を一望できました。
遠く日本海を望みながら、源義経弁慶一行は休憩したのかもしれませんね。
日本一小さい滝でないか?と思いながらも、歴史とロマンを感じたなるわ滝でした。
なるわ滝へのアクセス
なるわ滝へのアクセスは以下の通りです。
名称 | なるわ滝 |
---|---|
所在地 | 石川県金沢市鳴和町ツ |
入園料 | 無料 |
入園可能時間 | 24時間 |
休園日 | - |
備考 | 周辺には駐車場がありません |
公式サイト | - |