【特集】北陸新幹線敦賀延伸区間の駅舎デザイン案一覧 2023年春開業へ

プロジェクトNEWS, 北陸新幹線

現在、建設が進められている北陸新幹線敦賀延伸区間の駅舎デザイン案が昨年末すべて出そろいました。

鉄道運輸機構から示されたもので、それぞれの駅の3案ずつ提示されています。

 

どのようなコンセプトでどのようなデザイン案が出されたのか見ていきます。

 

小松駅

小松市が提示した基本コンセプトは、

「ふるさとの伝統を未来へつなぐ『ターミナル』」

でした。

 

これに基づき、鉄道運輸機構が提示したデザインは、

 

A案 「積み重ねてきた伝統を未来へと発展させるターミナル」

小松駅

・歌舞伎の市松模様をベースに、下から上に開口部を増やすグラデーションをつけることで、伝統を未来へ
 継承することをデザインテーマとしています。
・「石」を「伝統」、「ガラス」を「未来」と見立て、伝統と未来の融合、そして未来への発展を表現して
 います。
・エントランスは温かみのある空間を表現し、L字形状とすることで広場や周囲の街路と一体となった
 デザインとしています。

黄色く見えるのは小松市特産の「日華石」といわれる石をモチーフにしています。

小松市は日本遺産にも登録された石文化をアピールしており、それに基づいたデザインかと思われます。

 

 

 

B案「慣れ親しんだ白山の雄大な山並みと未来を感じるターミナル」

小松駅

・霊峰白山の雄大な山並みを金属で立体的・多面的にデザインすることで、小松の歴史から未来を表現する
 ことをデザインテーマとしています。
・雪をまとった白山の山並みを想起させるような、まちの東側にふさわしい未来感のあるデザインとしてい
 ます。
・中央下部では山並みの重なりと木立をイメージした開口を設け、エントランスを白山とともに歩んできた
 小松のまちの象徴としてデザインしています。

一見、非常にシンプルな外観ですが、白山連峰を駅舎に表現するのは素敵だと思います。

素材からも未来感が感じられそうです。

 

 

C案「小松の原風景と歴史・文化・風土が呼応するターミナル」

小松駅

・霊峰白山と木場潟をモチーフとすることで、小松の地に古くから根づく原風景と培ってきた歴史・文化・
 風土を表現することをデザインテーマとしています。
・中央部は開放的で透明感のあるガラスと白山の連なりを表現したルーバーで構成し、横スリット状の開口は
 木場潟に映る白山と水面のきらめきを表しています。
・エントランスは石文化を表現する石切り場をモチーフに、伝統と未来をつなぐターミナルとしての意味を
 持たせています。

こちらは3層に分かれており、白山の山並み、木場潟のきらめき、そして石文化を象徴する石切り場を表現したものになります。

どちらも小松の原風景を未来感ある演出で表現していると思われます。

 

 

Twitterアンケートでは…

ツイッターで独自にアンケートをとったところ、

 

北陸新幹線小松駅舎のデザイン案どれがいいですか?

komatuekian

A案 32%
B案 38%
C案 30%

(1392票)

となり、B案が最も人気でした。

 

ちなみに市民投票(2134票)の結果は、

A案 26.8%
B案 47.3%
C案 25.9%

となり、B案が最も人気だったそうです。

しかし、小松の伝統文化を取り入れてほしいなどの意見が600件寄せられ、現在、折衷案を鉄道運輸機構に要望しているそうです。

 

 

 

加賀温泉駅

加賀市が提示した基本コンセプトは、

「加賀の自然と歴史、文化を見せる駅」
      ~ほっと安らぎ、粋にかぶく駅~
      ~古九谷、山中の挽物を活かした駅~
      ~地域を花と緑でつなぐ、シンボルとなる駅~

でした。

 

これに基づき、鉄道運輸機構が提示したデザインは、

 

A案 「温泉郷の風情と城下町の歴史を感じさせる駅」

加賀温泉駅

・温泉郷や城下町に見られる伝統的な和の様式をモチーフとし、風情と歴史を感じさせる駅としています。
・伝統的な町並みに見られる縦格子(紅殻格子)は、内部からの眺望に変化をもたらしながら、ほっと安らげる空間を演出します。
・紅殻格子や瓦屋根、白壁の色彩を組み合わせることで、温泉郷のおもてなしとくつろぎを感じられるデザインとしています。

非常に加賀温泉郷らしい、温泉街へのゲートらしい和のデザインとなっています。

尼御前SAのデザインもこういった紅殻格子のデザインでしたね。

 

 

B案「歴史・文化の町並みを象徴する駅」

加賀温泉

・伝統的な集落で見られる切妻屋根をモチーフに、町並みを表現することで、地域のシンボルとなる駅としています。
・赤瓦の色を用いて切妻屋根を表現した窓は、非日常を演出するとともに、内部からの江沼三山の景色を印象的に魅せます。
・エントランスでは、軒先の垂木と石材の組み合わせで、歴史と文化に裏付けされた加賀の町並みを想起させるデザインとしています。

こちらは、加賀市周辺特有の赤瓦の伝統的な街並みをイメージした駅舎となります。

加賀市内には赤瓦の街並みとして重要伝統的建造物保存地区(重伝建)が2か所あるので、それも反映されているのでしょう。

また、開放的な窓が特徴的です。

 

 

C案「九谷五彩で伝統と文化を象徴する駅」

加賀温泉

・古九谷に用いられる九谷五彩の色彩をモチーフとし、伝統と文化を想起させる駅としています。
・横方向に積層させた素材によって際立った九谷五彩の色彩は、駅のシンボルとなり、非日常を演出します。
・中央下部では九谷焼を使用した壁面を配置し、上部の色彩と併せて、伝統・文化を身近に感じられるデザインとしています。

こちらは加賀市が発祥とされる九谷焼の五彩が盛り込まれた駅舎となります。

地元の人にとっては見慣れた5色で、シンボリックな華やかさの中に落ち着きがあると思います。

 

 

Twitterアンケートでは…

ツイッターで独自にアンケートをとったところ、

 

北陸新幹線加賀温泉駅舎のデザイン案どれがいいですか?

kagaan

A案 63%
B案 17%
C案 20%

(800票)

となり、A案がダントツ人気でした。

 

ちなみに北陸新幹線加賀温泉駅シンポジウム(総票数不明)の結果は、

A案 29.9%
B案 15.6%
C案 41.5%
その他(どれでも・複合・不明)13.0%

となり、C案が最も人気だったそうです。

ツイッターの独自アンケートと比較して大きく差があり驚いています。

 

ちなみに、2023年開業をきっかけに加賀温泉駅を加賀温泉郷駅に改称しようという動きも出ています。

加賀温泉はあくまで片山津温泉・山中温泉・山代温泉・粟津温泉の総称で、加賀温泉という温泉はないですからね。

 

 

 

芦原温泉駅

あわら市が提示した基本コンセプトは、

 「あわらの大地に湧き出(い)でる贅(ぜい)の駅」

でした。

 

これに基づき、鉄道運輸機構が提示したデザインは、

 

A案 「日本海の美しさと大地の躍動感を表現した駅」

芦原温泉エキシャデザインa

・日本海が生み出した自然美である東尋坊をモチーフとし、縦を基調とした躍動感のあるデザインとしています。周辺地域ならではの豊かな自然環境を表現し、福井県の北の玄関口となる駅をイメージしています。
・ガラス面は、明るい空間と日本海の青さや白波を駅全体に表現しています。
・夜には、六角柱からこぼれる明りが灯篭のようにまちを照らし、光が連続する風景が駅を中心として創り出されます。

六角形の形をしたものは東尋坊の柱状節理をイメージしていますね。

ガラスを様々な形に多様化している点が面白いです。

 

 

B案「あわら温泉の癒しと旅情が漂う駅」

芦原温泉エキシャデザインb

・落ち着いた佇まいを感じさせる「あわら温泉」をモチーフとし、癒しと和の空間の駅をイメージしています。
・全体を落ち着いた色と木調で仕上げ、趣のある和を強調したイメージとし、あわら温泉を訪れた旅の余韻を感じられる表現としています。
・ガラスの前面に設置したすだれ状のルーバーなどにより、窓から風景を水平方向に切り取って借景のように取り込むことで、まちがより身近に感じられます。

全体としては黒を基調にして落ち着いた色となっていますが、内装は木材が織り込まれ、和の雰囲気に感じます。

どこか旅館を切り取ったような落ち着きあるデザインです。

 

 

C案「あわらが薫る風立つ駅」

芦原温泉エキシャデザインc

・あわらの台地をゆるやかに吹く風をモチーフとし、地域住民にとって親しみのある駅をイメージしています。
・光を取り込む開口は明るい空間を表現し、ガラスで滑らかに表現される風は台地にあたりそのまま上昇気流となって空に向かって伸びていき、あわらのこれからの発展を予期させます。
・外壁の下部では、あわらの台地を表現した色味で地域住民にとって親しみのある風景と居心地の良い空間をイメージしています。

あわらの大地を表現、なるほど、そうきたかといった感じです。

旧三国町の北側や旧金津町周辺は大きな台地が広がっており、風力発電があったり畑が広がっていたり、特徴的な地形です。

曲線を描き、大地と風が表現されていますね。

 

 

Twitterアンケートでは…

ツイッターで独自にアンケートをとったところ、

 

北陸新幹線芦原温泉駅舎のデザイン案どれがいいですか?

awaraan

A案 18%
B案 66%
C案 16%

(339票)

となり、B案がダントツ人気でした。

 

市民投票は1月末まで行われているため、まだ結果は明らかになっていませんね。

 

 

 

福井駅

福井市が提示した基本コンセプトは、

「太古から未来へ~悠久の歴史と自然がみえる駅」

でした。

 

これに基づき、鉄道運輸機構が提示したデザインは、

 

A案「悠久の歴史を未来へつなぐシンボルゲートとなる駅」

福井駅 デザインa福井駅デザインa2

・福井の歴史遺産として名高い「永平寺」や「一乗谷朝倉氏遺跡」にみられる唐門をモチーフに、柔らかな曲線をデザインした木調のルーバー(縦格子)と、明るく開放的なガラス面を組み合せることにより、福井の歴史を感じさせるデザインとしています。
・中央部の外枠を落ち着いた色調の門構えのデザインとすることにより、唐門のデザインと合わせて、利用者を温かく迎え入れる福井のシンボルゲートとなる駅をイメージしています。

永平寺や一乗谷朝倉氏遺跡をモチーフにしたとされる木調のルーバーが印象的な駅舎となっていますね。

ガラスの中にも木のぬくもりがある、そんな駅舎に感じます。

駅舎の出入り口の部分は門のようなデザインになっているところも面白いです。

 

 

B案「太古の記憶と神秘的な存在感が漂う駅」

福井駅デザインb福井駅デザインb2

・恐竜の爪や牙、躍動する生命力、荒々しい岩肌など、「太古の記憶」をイメージした「恐竜王国福井」を連想させるデザインとともに、明るく開放的な立体ガラス面により、太古の神秘的な美しさを備えたデザインとしています。
・中央部の重厚感のあるダークグレー系のフレームは、太古の記憶を印象深く映し出す役目を果たし、周囲の建物と同じくガラス素材を用いたデザインとしながら、より存在感を際立たせています。

まるでガラス細工のようなガラス面に立体感があるデザインです。

ガラスを多様に表現し、恐竜の爪や牙なども表現され、その中に福井の未来も感じられるデザインだと思います。

 

 

C案「九頭竜川の伝説を未来へ継承する駅」

福井駅 デザインc福井駅デザインc2

・福井平野に豊穣の恵みをもたらしてきた九頭竜川と、九頭竜川に伝わる竜をモチーフとしています。美しい川の流れをイメージした白色系の横のラインと、竜が巻きついているかのようなユニークな外装デザインにより、九頭竜川に伝説として生き続ける竜を未来へ伝えていく願いが込められています。
・中央部の白い外装材は、巨大な竜が生き続ける美しい自然を象徴するとともに、竜の鱗をイメージした三角形の開口部を設け、独特なホーム空間を演出しています。

九頭竜川にまつわる九頭竜伝説をモチーフにして、竜が巻き付いたような駅舎は見事だと思います。

川の流れをイメージしたとする横ラインはスピード感も感じられ、未来へ向かって加速していくそんなデザインにも取れます。

 

 

※Twitterではアンケートはとっていませんが、福井市では2月20日まで駅舎デザイン案について意見を募集中です。

http://www.city.fukui.lg.jp/kurasi/koutu/shinkansen/design.html

 

 

 

南越駅(仮称)

越前市が提示した基本コンセプトは、

「伝統・文化を未来につなぐシンボルとしての駅」

でした。

 

これに基づき、鉄道運輸機構が提示したデザインは、

 

A案「コウノトリが飛翔する未来への道標となる駅」

南越駅デザインa

越前市に飛来するコウノトリをモチーフとし、越前市の美しい自然環境を未来へつないでいくシンボルとなる駅をイメージしています。

雪がかぶった田園地帯を現代的な材質で表現し、未来感を演出していることを感じます。

特に、エントランス部分はガラス面を多様に用いて、透明感ある駅舎になっていると思います。

 

 

B案「丹南地域の歴史、伝統、文化が漂う駅」

南越駅デザインb

丹南地域の伝統的町屋をモチーフとし、丹南地域の歴史・文化を感じられる駅をイメージしています。

A案が自然に対して、B案は人が築いてきた歴史を表現していますね。

エントランスや1階には町家風の屋根がついていますが、全体的にはモダンなデザインとなってます。

 

 

C案「伝統工芸の精巧な技術と地域のぬくもりが感じられる駅」

南越駅デザインc

緻密で繊細な伝統工芸の技術性を感じられるデザインとし、手仕事の町である地域のシンボルとなる駅をイメージしています。

越前和紙、越前打刃物、越前箪笥などの伝統工芸が残る越前市の匠の技を表現した駅舎になります。

紙が織り込まれたような市松模様や細工のような模様が特徴的ですね。

 

既に意見公募も終わり(?)選定会議が進められている模様です。

 

 

 

敦賀駅

敦賀市が提示した基本コンセプトは、

「空にうかぶ~自然に囲まれ、港を望む駅~」

でした。

 

これに基づき、鉄道運輸機構が提示したデザインは、

 

A案「未来航路へ出航する港街の駅」

敦賀駅デザインa

・敦賀港に寄港する船舶をモチーフにしたデザインとし、鉄道と港のまち敦賀が新たな未来航路へ出航する様子をイメージしています。
・舷窓をモチーフとした円形窓と、船舶の煙突をイメージしたトップライトを設けることで、敦賀らしさの象徴である「港」を感じられるデザインとしています。
・ホーム階の外壁は明るく軽快感のある白色系を基調とし、コンコース階は濃色系の外壁面をセットバックすることで、上下を分節し、建物の威圧感を抑え、浮遊感を演出しています。

まるで大きな船のようなシンボリックなデザインですね。

敦賀港の歴史、港町であることが一目でわかりそうです。

 

 

B案「爽やかな海風を受け帆走する駅」

敦賀駅デザインb

・敦賀港に寄港していた北前船の帆が、爽やかな海風を受けてはらむ様子を表現したデザインとし、港街敦賀の歴史と豊かな自然を感じられる駅をイメージしています。
・中央の屋根には、敦賀湾の穏やかな波をイメージした大屋根を設け、壁面にリズミカルに配置した帆とともに、軽快感、躍動感を感じられるデザインとしています。
・ホーム階の外壁は明るく軽快感のある白色系を基調とし、コンコース階は濃色系の外壁面をセットバックすることで、上下を分節し、建物の威圧感を抑え、浮遊感を演出しています。

こちらも駅舎上部の波打つ曲線が特徴的ですね。

全体的にリズム感がある駅舎に感じます。(個人的に)空に浮かぶ駅が最も表現されているように見えます。

 

 

C案「空にうかぶ ~自然に囲まれ、港を望む駅~」

敦賀駅デザインc

・壁面のガラス窓などをランダムに配置することによって敦賀湾の波の煌めきを表現したデザインとし、天然の良港である敦賀湾の豊かな自然を感じられる駅をイメージしています。
・中央の屋根には、市の鳥であるユリカモメが飛翔する姿や、船首のシャープさをイメージした特徴的な大屋根を設け、自然豊かな敦賀のシンボルとなるデザインとしています。
・ホーム階の外壁は明るく軽快感のある白色系を基調とし、コンコース階は濃色系の外壁面をセットバックすることで、上下を分節し、建物の威圧感を抑え、浮遊感を演出しています。

敦賀湾の波のきらめき、ユリカモメや船舶をイメージした大屋根・・・まさに敦賀ならではの風景をモチーフにしていますね。

北陸自動車道杉津PAから見る光景はまさにそんな感じです。

 

 

Twitterアンケートでは…

ツイッターで独自にアンケートをとったところ、

 

北陸新幹線敦賀駅舎のデザイン案どれがいいですか?

turugaan

A案 41%
B案 22%
C案 37%

(456票)

となり、A案が人気でした。

 

 

以上、北陸新幹線敦賀延伸区間の駅舎デザイン案を見てきました。

駅舎は街のシンボルであると同時に、新幹線に乗ってきた観光客にとってはその街で最初に目にする光景となります。

デザイン一つで印象も大きく変わるので、個人的にはその街らしい個性あるシンボリックなデザインになってほしいです。

 

 

駅舎デザインについては各自治体のホームページ等もぜひご参考にしてください。

小松駅
北陸新幹線小松駅外観デザイン(案)が3案提案されました!ー小松市

加賀温泉駅
北陸新幹線加賀温泉駅舎デザイン案が公開されました!ー加賀市

芦原温泉駅
意見募集!北陸新幹線JR芦原温泉駅舎に3つのデザイン案ーあわら市

福井駅
【H29.12.27】北陸新幹線福井駅舎デザイン案の提案についてー福井市

南越駅(仮称)
市長ブログ 平成29年12月ー越前市

敦賀駅
北陸新幹線敦賀駅のデザインコンセプトに基づく駅舎デザインの提案についてー敦賀市