
撮影したのは昨年ですが、魚津の東山円筒分水槽へ行ってきました。
まず、円筒分水とは・・・?
円筒分水は、農業用水などを一定の割合で正確に分配するために用いられる利水施設。円筒状の設備の中心部に用水を湧き出させ、円筒外周部から越流、落下する際に一定の割合に分割される仕組みとなっている。地域によっては「円形分水」とも呼ばれる。土木工事分野では「円筒分水工」と呼ばれる。 (Wikipediaより引用)
最初から難しい感じになりましたが、要は、水の奪い合いにならないよう、水を一定の割合に分割させる施設です。
明治時代に考案され、当時は機械のようなものはないため、サイフォンの原理と呼ばれるもので、自然の力で分水しています。

現地の案内板を撮影したものです。
東山円筒分水槽は昭和30年に施工されたみたいです。
天神野用水、青柳用水、東山用水の3用水に一定の割合で水を分割しています。
隣を流れる片貝川を逆サイフォンの原理で川の下を通過し、円筒分水槽に噴出させているものになります。
逆サイフォンの原理を用いた構造といえば、金沢の辰巳用水も同様ですね。辰巳用水は江戸時代に施工したもので、よく逆サイフォンを思いついたなといった感じですが。

さて、円筒分水槽を見ていきます。
・・・とその前に!
この記事を公開してから、ご指摘いただいたのですが・・・
円筒分水は周囲からも水がまんべんなく出ているのに対し、撮影日は時期が遅かった、あるいは、メンテナンス中だったのか、円筒の淵から水が流れていないことが明らかになりました。
私自身はこれでも十分魅力を感じたのですが、本当はさらに何倍も美しいものだそうです。
今回はメンテナンス中の円筒分水としてご覧いただければ幸いです(汗)

写真では伝わりにくいかもしれませんが、近づくと、ちょっと怖いくらいに水が勢いよく流れ落ちています。

ただ、水はすごく澄んでいて、綺麗でした。
真ん中に穴が開いているのが分かりますか?
この穴から噴水しています。
(本当は円の周囲からも水が流れます)

全景です。

撮影時は一部で修復工事?が行われていました。

水がこんこんと湧き出る中心の穴

最後に遠景となります。
ここから見ると円筒であることが分かるのではないでしょうか。
”水戦争”を解決することに大いに貢献した円筒分水、北陸では富山県のみに数か所あります。
ちなみに、円筒分水の通常稼働時(円周からも水が流れ落ちている様子)の写真がinoue1024さんのブログ「こっそり支援」に掲載されています。
inoue1024さんによると、時期は5月から8月頃が水が多く、見ごろだそうです。
リンクはこちら↓
http://d.hatena.ne.jp/inoue1024/20140603/1401793237
また、円筒分水.comというとても面白いサイトも発見しました。マニアックぶりがたまりませんね。
http://entoubunsui.com/
探してみるのも面白そうですよ。