ついに、2015年3月18日、2015年1月1日現在の公示地価が発表されました!石川県の地価は上昇地点が38箇所(前年30箇所)、横ばい地点が30箇所(前年21箇所)となり、上昇地点と横ばい地点がさらに増えました。
石川県と全国の地価
石川県内の平均地価は1.3%下落し、前年度より0.6ポイント回復しました。全国平均では、商業地が横ばいとなりました。原因としては、三大都市圏や地方中枢都市の地価の上昇基調が高まったもので、地方都市では依然、下落率が高い都市が多く、地価の2極化が懸念されています。
また、北陸新幹線開業を前に、金沢・富山での土地取引が活発でした。
早速、金沢市中心部の各エリアの地価を見ていきます!
(私は不動産屋ではありません。個人の趣味なので、そのあたりをご了承ください)
地価は1㎡あたりの土地価格です。
町名 価格 (上昇率) の順に書きます。
【金沢駅 兼六園口(東口)】
本町2-16-16 (商) 680,000円 [+8.8%]
本町1-3-32 (商) 200,000円 [―(選定替え)]
安江町15-57 (商) 128,000円 [+3.2%]
◆概要
金沢駅兼六園口(東口)の地価は、1㎡あたり680,000円となり、前年と比べて55,000円も上昇しました。駅東口側は、従来より開発されている土地であるのと、大型の土地が無いことなどがあり、売り手市場が広がっています。
この本町2-16-16の地価は、石川県内最高地点であると同時に、北信越地区でも最も高い地価となっています。新潟県最高地点との地価(555,000円)の価格差は前年の63,000円から125,000円へと拡大し、金沢駅前の地価がずば抜けて高くなりました。町家が立ち並ぶ安江町でも地価が3%上昇するなど、周辺へと新幹線効果が波及しています。
新幹線金沢開業を見据え、駅前に1年間で居酒屋や飲食店が30~40店増えたそうです。そして、駅前の複合ビルポルテ金沢は、開業以来初の商業フロアが満室となり、オフィス空室率も低く大変好調であります。
◆今後
- ファーストモータースが堀川町で飲食ビルを建設
- プレミスト金沢本町(マンション)の建設
- 北陸新幹線の開業効果
- オフィスの空室率低下
- 金沢百番街Rintoと金沢フォーラスの相乗効果
金沢駅兼六園口は開発そのものは少ないですが、北陸新幹線開業効果を最も受けることができるエリアで、金沢百番街Rinto増床の開業日と翌日で15万人以上を動員するなど商業面でも、金沢フォーラスとの2強となりそうです!飲食店も今後も増えていきそうですが、出店スペースが少なくなってきています。個人的には駐車場の集約化と、コインパーキングとなっている場所の開発を推進してほしいです。
【金沢駅 金沢港口(西口)】
広岡1-1-18 (商) 343,000円 [+17.1%]
中橋町5-20 (商) 128,000円 [+8.5%]
駅西本町6-3-14 (商) 92,500円 [+0.5%]
西念1-15-22 (住) 102,000円 [+3.6%]
広岡1-14-19 (住) 126,000円 [+5.9%]
駅西新町1-23-22 (住) 75,500円 [+0.0%]
◆概要
金沢駅金沢港口(西口)の地価は、まさにプチバブルの様相です。広岡1丁目の商業地では、地価の上昇率が17.1%と、全国23380箇所の調査地点の中で上昇率が1位となりました!前年の広岡1丁目の地価も11.4%上昇しており、うなぎ上りに土地価格が上昇しています。それでも、駅東口と比べて土地に割安感があり、大きな土地も比較的あることから土地取引も活発で、昨年は北國銀行本店ビル、ホテルマイステイズ金沢、JR金沢駅西第一NKビルが竣工、開業しました。加えて、大和ハウスのマンション2棟が竣工。そして、金沢駅西広場も完成し金沢駅西口の様子も激変したことは記憶に新しいと思います。
そして、今回は広岡の住宅地でも6%程度の上昇、金沢駅南側の中橋町でも8%の高い伸びを示しています。新幹線開業ということで駅から近いエリアは上昇率が高いですね。一方で、金沢駅とは少し離れた駅西本町や駅西新町では上昇基調はあまりないですが、ほぼ横ばいとなりました。
◆今後
- ホテルと商業施設の複合ビル ABホテルが開業(2015年4月中旬)
- マンションと商業施設の複合ビル マストスクエア金沢が着工 [NEW!]
- NHK金沢放送局が金沢駅西へ移転、着工予定
- 外資系ホテル誘致計画
- JR社宅跡地医療施設計画
- JR社宅跡地再開発
まだまだ、金沢駅西口では建設ラッシュが絶えず、上昇率は緩やかになるかもしれませんが、地価の上昇はこの先もしばらく続きそうです。金沢駅西口の地価は上昇していますが、広岡1丁目の地価(343,000円)と本町2丁目の地価(680,000円)を比べてみると、駅から同じ徒歩圏内なのに対して、地価は金沢駅西口のほうがほぼ半値であることが分かります。この土地の安さから今後も土地取引において魅力的なエリアとなりそうです。
【武蔵ヶ辻】
彦三町1-14-27 (住) 137,000円 [+3.0%]
武蔵町 1-15 (商) 490,000円 [4.9%]
◆概要
武蔵ヶ辻の地価は、昨年並みの上昇率を示し、1㎡あたり490,000円となりました。昨年春にル・キューブ金沢が開業し、昨年秋には、めいてつエムザにお土産店などを備えた新たな商業空間「黒門小路」が開業したことで、飲食店やお土産店がさらに増えました。
近江町市場では、昨年末からテレビ取材が毎日のようにあり、北陸新幹線開業により、観光客も近江町市場で海鮮丼を食べることがステータスのように訪れる割合も増えています。
彦三町の住宅地では、今年も住宅地の県内最高地点を維持しました。
◆今後
- 北陸新幹線開業効果
- 武蔵南再開発事業
- 近江町市場複合ビル
武蔵が辻も金沢観光する際の要衝であり、北陸新幹線開業効果を直接受けることが出来るエリアであります。だから、賑わいを生むことによりさらに土地価格も上昇していきそうです。また、マンションと商業施設の武蔵南再開発事業や近江町市場の駐車場一帯を再開発する複合ビルの計画も検討中で、さらに賑わいあふれるエリアとなってほしいです。
【香林坊】
香林坊2‐4‐3 (商) 600,000円 [+5.3%]
◆概要
香林坊の地価は1㎡あたり600,000円となり、久しぶりに60万円を回復し、前年より上昇幅が拡大しました。 香林坊は大和百貨店やブランド店が立ち並ぶエリアで、東急ホテルが昨年秋にブランドを格上げしたうえで改装オープンしました。新潟県最高地点の地価と比べて前年は8,000円の差で香林坊が僅差で抜きましたが、今年はさらに45,000円の差に拡大しました。北陸最大の繁華街はまだまだ勢いがあるようです。
◆今後
- 香林坊109の大規模改装
- 北陸新幹線開業効果
- プレミスト香林坊の建設
- 香林坊アトリオに専門学校
今後の目玉は先日報道された、香林坊109の大規模改装です。名称変更も視野に内外装をリニューアルするもので、出店テナントによっては集客力が増大し、地価にさらなる好影響を及ぼしそうです。またプレミスト香林坊では最高価格の1億円超の物件が完売し、まだまだ活気のあるエリアであることを感じさせます。富山県小矢部市のアウトレット開業でよっぽど影響を受けない限りは、地価も今後しばらく上昇するでしょう。
【片町】
片町2-1-7 (商) 468,000円 [+2.4%]
片町2-24-11 (商) 270,000円 [+0.0%]
◆概要
片町2-1-7の地価は下落から上昇に転じました!上昇に転じるのは約20年ぶりとのことで、長い暗闇からの脱却に期待を寄せています。上昇に転じたのはやはり、片町A地区再開発が進んでいることでしょう。片町A地区再開発は、ラブロ片町と周辺10棟の再開発で、地上5階建ての再開発ビルが建設されます。核テナントにはH&Mの進出が報道され、再開発ビルに注目が集まっています。
◆今後
- 片町再開発ビルの開業
なんといっても片町再開発ビルの開業が期待されています。集客力がカギですね。そして、昼間のみならず夜の集客も欠かせません。片町復権に向けた起爆剤となって欲しいです。
【竪町】
竪町30外 (商) 220,000円 [+0.0%]
◆概要
ついに、長年下落基調だった、竪町の地価も横ばいになりました!テナントの入れ替わりが激しいものの、最近はブライダル店の出店が急増しており、竪町の新たな方向性に注目されます。
◆今後
片町再開発ビルの集客の流れを竪町ストリートに引き込むことが出来れば、地価も緩やかに上昇するのではないでしょうか。
金沢の主要観光地の地価
【観光地の地価】
住宅地の公示地価ですが、主に観光地としての需要が高まっているエリアも前年に引き続き上昇しました。
長土塀1-10-16 (住) 124,000円 [+2.5%]
東山 2-3-11 (住) 90,000円 [+1.1%]
◆概要
長土塀の地点は、長町武家屋敷から少し北へ行ったほうにある地点ですが、利便性も良く、観光需要もあることから上昇しました。同じく東山の地点も、ひがし茶屋街から少し北へ行ったほうにある地点ですが、観光需要とひがし茶屋街に近いことで取引価格が上昇しているのだと思われます。
◆今後
引き続き上昇していくものと思われます。
*PICK UP!
富山駅前でも地価が大幅に上昇し、富山県内地価最高地点に!
新幹線効果は、もちろん金沢だけではありません。全列車停車するJR富山駅前の地価は、前年比で大きく上昇しました!
桜町2-1-8 (商) 426,000円 [+7.8%]
桜町1-3-5 (商) 320,000円 [+3.6%]
桜町2-1-8の地点は、富山県内の地価最高地点ですが、前年の上昇率が2.6%上昇だったのに対して、今年は7.8%の上昇となり、土地価格も1㎡あたり30,000円余り上昇しました。
デパートや商店が立ち並び、富山市中心部の総曲輪地区の地価を見てみると、
総曲輪3-5-6 (商) 407,000円 [+0.0%]
と横ばいでした。昨年度は富山駅前が1㎡あたり395,000円だったので、富山県内最高地点が総曲輪から駅前へと移転したことになります。そんな、開業に沸く富山駅前ですが、総曲輪地区でも複数の再開発事業が進行しており、来年、再来年からはその影響が地価にも出てくるものだと思います。
*今回の公示地価について
今回は、金沢駅西地区の地価の上昇率が顕著で、私の想像をはるかに超えていました。金沢駅西口が日本で最もアツいエリアになっていることは地方都市の疲弊が指摘されているこのご時世の中で、一地方都市の活況ぶりを届けられたのではないでしょうか。嬉しい出来事です。
そして、金沢駅東口が1㎡あたり680,000円、香林坊が1㎡あたり600,000円とどちらも高い上昇率で健闘していますね。普通、駅前が発展すれば旧来の中心部は衰退の一途をたどりますが、香林坊の地価上昇率を見て一安心です。今年は、コストコにアウトレット、イオンモールの大規模商業施設にラスパ白山やフレンドマートなどの中規模商業施設と開業ラッシュを迎えます。これらにどのように対抗していくのかも注目されます。実際に、片町では再開発ビル開業、香林坊では109大規模改装と対抗策はあるので、十分に効果が発揮されればと思います。
前年は消費税増税の影響が懸念されましたが、地価には何ら問題はなかったと言えるでしょう。今後も新幹線開業効果が続けばと思います。
また、7月の路線価、9月の都道府県地価調査、来年3月の公示地価の発表が楽しみです。
ついつい力が入ってしまい、久しぶりに記事の制作時間も伸びてしまいました(笑)
ここまで読んでくれた方ありがとうございました。
※2017年1月 ブログ記事移転とともに画像の一部を2015年3月以降の写真に差し替えてあります。