ついに、2018年3月18日、2018年1月1日現在の公示地価が発表されました!石川県の地価は上昇地点が87箇所(前年68箇所)、横ばい地点が42箇所(前年38箇所)となり、上昇・横ばい地点がさらに増えました!
石川県と全国の地価
石川県内の平均地価は0.1%上昇し、全用途平均は2年連続で上昇しました。前年度と伸び率は同じでした。また、石川県内の商業地平均地価は前年比0.7%上昇し、前年の1.2%より小さくなったものの、2年連続上昇しました。
全国平均では、0.7%の上昇となりました。原因としては、ここ数年同様の傾向ですが、訪日外国人観光客の需要が高まったことなどから、店舗やホテル需要が高まり、地価の上昇基調が高まったことです。
大都市圏はもちろん、地方中枢都市(札幌、仙台、広島、福岡)の平均上昇率は、住宅地で3.3%、商業地で7.9%と上昇率が顕著でした。
しかしそれらを除く地域及び、訪日外国人観光客の需要など恩恵を受けない地域は下落が続いており、地価の2極化が拡大されています。
また、北陸新幹線開業効果が継続し、全用途平均で金沢市が1.6%と前年より伸び率は縮小したものの上昇、野々市市が1.5%と前年より上昇、今年は津幡町が1.4%と前年より上昇となりました。
石川県の温泉地についてみていくと、前年地価が上昇した七尾市の和倉温泉、加賀市の山中温泉、片山津温泉、山代温泉。
今年は、山中温泉・山代温泉が地価上昇、和倉温泉・片山津温泉が横ばいとなりました。地価の伸び率はいずれも鈍化しています。
実際に温泉地への入り込み客数は昨年と比較し4~6%減少しており、新幹線効果が落ち着いてきました。
また、湯涌温泉が1.9%の上昇、粟津温泉は前年に引き続き横ばいです。
地価の2極化は石川県内でも続いており、珠洲市や穴水町では現在でも全用途平均で地価が5%前後下落。
他都市でも上昇地点は増えているものの、山間部などは下落から抜け出せないエリアが多いです。
早速、金沢市中心部の各エリアの地価を見ていきます!
(私は不動産屋ではありません。個人の趣味なのでご了承の上、ご覧下さい)
地価は1㎡あたりの土地価格です。
町名 価格 (上昇率) の順に書きます。
【金沢駅 兼六園口(東口)】
本町2-16-16 (商) 955,000円 [+8.5%]
本町1-3-32 (商) 283,000円 [+8.8%]
安江町15-57 (商) 167,000円 [+7.7%]
◆概要
金沢駅兼六園口(東口)の地価は、1㎡あたり955,000円となり、前年と比べて75,000円も上昇しました。駅東口側は、従来より開発されている土地であるのと、大型の土地が無いことなどがあり、売り手市場が広がっています。新幹線開業効果が2年経過しても続いていることから、店舗需要も高いまま維持しており、小さな物件でもすぐに埋まる状況です。しかし、地価の上昇も顕著であることから、地価と採算のつり合いを考えると取引も慎重になってきたとのことです。
こういったことから、地価の上昇率も昨年の14.3%からやや縮小し8.5%となりました。その他の金沢駅東口周辺の地価の上昇率は前年比で落ち着いてきているものの、7~8%と高い伸び率を示しています。
金沢5-4(本町)の地価は過去11年間、金沢市の中で最高価格地点となっております。
北信越で最も高い地価に。新潟駅前と差を広げ、1㎡あたり42万円の差
この本町2-16-16の地価は、石川県内最高地点であると同時に、北信越地区でも最も高い地価となっています。
新潟県最高地点との地価(535,000円)の価格差は前年の345,000円から420,000円へと拡大し、金沢駅前の地価が大きく引き離しています。
金沢駅東口の地価の近年の上昇ぶりがよくわかりますね。そろそろ100万円の大台も見えてきますね。
◆今後
- 金沢都ホテルの再開発
- 商業施設の集積効果
- 大型コンベンション開催等の交流人口の拡大
- 北陸新幹線の開業効果の持続
- オフィスの空室率低下
- ユニゾインエクスプレス金沢駅前の開業
- ホテルウィングインターナショナルのホテル開業(北陸初進出)
金沢駅兼六園口は開発そのものは少ないですが、町家やテナントビルに多くの店舗が集積が続いています。
また、駅周辺で飲食店が集積するビルの建設も相次いでおり、昨年に8階建てが1棟、今年も6階建てが1棟建設予定です。
加えて、大型コンベンションや学会の開催等で、さらに交流人口が拡大し、通行量が増えています。
また、注目されているのが「金沢都ホテル再開発」です。2016年5月に計画が明らかになりました。現在解体工事が行われています。
金沢駅東口の(最後の?)一等地の再開発で、北陸新幹線開業後では過去最大の投資額とも取り沙汰されています。
北國新聞によると、低層階に商業施設、中層階にオフィス、高層階にホテルが入居する地上14階程度の建物が計画されているとのことです。
完成イメージや概要等が発表されると、さらに期待が高まり、地価の上昇率も高くなりそうです。
【金沢駅 金沢港口(西口)】
広岡1-1-18 (商) 600,000円 [+11.1%]
中橋町5-20 (商) 185,000円 [+8.8%]
駅西本町6-3-14 (商) 97,500円 [+1.0%]
西念1-15-22 (住) 118,000円 [+5.4%]
広岡1-14-19 (住) 150,000円 [+5.6%]
駅西新町1-23-22 (住) 79,000円 [+3.9%]
◆概要
金沢駅金沢港口(西口)の地価は、前年の20.0%の上昇から9ポイントほど鈍化しました。
なんと、5年間で地価が2倍になり、上昇率もそろそろ縮小傾向になってきています。
しかしながら、金沢駅西口は今後も開発が目白押しで、さらなる交流人口の拡大が見込まれます。
それでも、金沢駅西口は1㎡あたり60万円と、駅東口の1㎡あたり95万5千円と比べて、駅からの距離がほぼ同じでも、土地に割安感があります。
さらに、駅東口の地価の上昇率も縮小傾向にあります。
このため、駅東口と価格の差は今後さらに埋まる可能性もありますね。
◆今後
- NHK金沢放送局の新社屋
- ハイアットセントリックを筆頭としたツインタワーの建設
- レーベン金沢ミッドウエストタワーの建設
- JR社宅跡地再開発 (日本銀行金沢支店の移転等)
- 西日本ジェイアールバス跡地再開発(オフィス、ホテル、駐車場など)
- ケイエルリースのホテル建設
- 大和情報サービスのホテル建設
- ホテルビスタ金沢の建設
金沢駅西口は、全国的にも屈指の土地取引の活発なエリアとなっています。
土地取引も活発で、新幹線開業前の開発ラッシュに続き、今後はNHKの移転や、JR社宅跡地開発、ハイアットセントリック金沢の進出が決定など開発が目白押しで、地価の上昇幅は落ち着きつつもまだまだ地価が上昇するのではないでしょうか。
【武蔵ヶ辻・大手町】
彦三町1-14-27 (住) 156,000円 [+4.7%]
武蔵町 1-18 (商) 650,000円 [+5.7%]
大手町 15-22(商) 210,000円 [+10.5%]
◆概要
地価は1㎡あたり615,000円となり、5.7%上昇しました。2004年当時の地価を超えました。
北陸新幹線開業効果が続いているエリアで、特に近江町市場を中心として、連日人があふれる状態が続いています。
武蔵ヶ辻・大手町周辺では観光地が近く利便性がいいことから、ホテルやマンションの建設ラッシュが起こっています。
大手町でも2005年の水準まで回復しました。今年は金沢市内で2桁上昇を記録したのは金沢駅西口の広岡と大手町の2地点となりました。
彦三町の住宅地では、今年も住宅地の県内最高地点を維持しました。
◆今後
- 北陸新幹線開業効果(観光客)の維持
- 武蔵南再開発事業
- 近江町市場複合ビル
- タカラレーベン金沢大手町の建設
- 三菱地所レジデンスのマンション建設
- 御宿野乃金沢の建設
- ホテルフォルツァ金沢の建設
武蔵が辻も金沢観光する際の中心となるエリアで近江町市場やめいてつエムザなど、大規模集客施設があります。
また、マンションと商業施設の武蔵南再開発事業や近江町市場の駐車場一帯を再開発する複合ビルの計画も検討中で、賑わいが続いています。
【香林坊】
香林坊2‐4‐3 (商) 755,000円 [+6.3%]
◆概要
香林坊の地価は1㎡あたり755,000円となり、前年の上昇率より上昇幅は縮小したものの大きく上昇しました。
香林坊は大和百貨店やブランド店が立ち並ぶエリアで、香林坊東急スクエアが開業し、東急ハンズなど北陸初出店のお店が相次いで進出しました。
地価もここ6年は右肩上がりで堅調に推移しています。
◆今後
- 香林坊から片町にかけての再開発促進
- 日本銀行移転を見据えた跡地の活用
東急ハンズは開業2年目も賑わっています。
香林坊は直近でビルの建設などはありませんが、中長期的には日本銀行の移転や再開発事業等の機運があります。
金沢中心部の核となるエリアなので、さらに賑わいが持続してほしいところです。
【片町】
片町2-1-7 (商) 610,000円 [+5.2%]
片町2-24-11 (商) 358,000円 [+5.9%]
◆概要
片町2-1-7の地価は上昇を維持しています。昨年と比べると上昇幅は縮小しているものの、5%前後の上昇です。
10年ぶりの60万円台の回復となりました。今後も緩やかに上昇していくものと思われます。
◆今後
- さらなる再開発の推進
- 大和ハウスのホテル建設
片町きららに続く再開発について準備組合が設立されました。
香林坊~片町エリアの再開発が推進されれば地価にも好影響かもしれません。
【竪町】
竪町30外 (商) 273,000円 [+3.0%]
◆概要
竪町の地価もここ数年で持ち直してきていますが、金沢市中心部の他商業エリアと比較すると回復が鈍いです。
竪町からZARAやサブウェイの閉店など影響があるのかもしれませんが、賑わい創出には積極的で、踏ん張ってほしいものです。
◆今後
- ファーストモータースの賃貸マンション建設
今後は微増または横ばい傾向で推移すると思われます。
金沢の主要観光地の地価
【観光地の地価】
住宅地の公示地価ですが、主に観光地としての需要が高まっているエリアも前年に引き続き上昇しました。
長土塀1-10-16 (住) 136,000円 [+2.3%]
東山 2-3-11 (住) 105,000円 [+4.0%]
◆概要
長土塀の地点は、長町武家屋敷から少し北へ行ったほうにある地点ですが、利便性も良く、観光需要もあることから上昇しました。同じく東山の地点も、ひがし茶屋街から少し北へ行ったほうにある地点ですが、観光需要とひがし茶屋街に近いことで取引価格が上昇しているのだと思われます。
◆今後
北陸新幹線開業後観光客が増えたもののやや落ち着きも見られるため、上昇基調であるものの上昇幅は鈍化していく可能性はあります。
*PICK UP!
北陸新幹線開業効果が石川県内各地に波及しているものの明暗が分かれる?
北陸新幹線開業効果で、地価の上昇は金沢にとどまらず、ここ数年は石川県の観光地でも見られますが、新幹線開業3周年を迎えた今年は明暗が分かれたようです。
山代温泉 (商) 58,500円 [+0.8 %]
山中温泉 (商) 57,500円 [+0.9%]
片山津温泉 (商) 24,500円 [+0.0%]
粟津温泉 (商) 34,500円 [+0.0%]
和倉温泉 (商) 51,000円 [+0.0%]
輪島朝市通り (商) 72,000円 [ー1.4%]
昨年上昇がみられた、片山津温泉と和倉温泉は上昇から横ばいとなり、引き続き上昇がみられた山代温泉、山中温泉は伸び率が鈍化し、微増にとどまりました。
北陸新幹線開業で一時的に温泉地を訪れる観光客が増加しましたが、現在は前年比4~6%減となっており、2023年の敦賀延伸に向けてさらに誘客を強化してほしいところです。
また、輪島の朝市通りでは下落に転じました。新幹線開業効果は金沢駅から離れたエリアからじわじわと縮小傾向にあるようです。
イオンモール新小松開業効果で地価が上昇!
小松市 南浅井町(住) 31,300円 [+1.0%]
小松市 若杉町(住)35,700円 [+2.3%]
昨年開業した、イオンモール新小松の開業効果で周辺住宅地は引き続き上昇しました。
また、新たに付近の住宅地で上昇地点も出現しました。
金沢市郊外の住宅地地価が上昇傾向に
金沢市の郊外の住宅地地価が上昇する動きがみられています。
昨年までは金沢市中心部の住宅地地価も上昇していましたが、郊外は横ばいの地点が多い状況でした。
今年は横ばいから上昇に転じた地点が11地点増え、ほとんどが郊外となりました。
金沢市中心部の地価上昇が郊外へと波及しています。
金沢市大河端では区画整理事業とともに宅地開発が活発化しています。
周辺では石川県自動車販売店会館や、石川運輸支局、県央土木総合事務所が金沢市西部エリアから移転し、拠点性も高まります。
このため、大河端西2-112の地価は1.4%の上昇となりました。
また、鞍月5-132の地価も3.1%の上昇となっています。
金沢市中心部の主要地価比較
金沢市中心部の主要地価(過去15年分)を比較してみました。
金沢駅東口が独走になっていますね。また、金沢駅西口の伸びも顕著です。
*今回の公示地価について
今回は、北陸新幹線開業3年目でようやく地価に落ち着きが見られてきました。特に地価上昇をけん引していたホテル建設用地の取得が落ち着いてきたことも要因でしょう。
北陸新幹線開業効果という特別な要因が落ち着いてきたことで、ここからが勝負ですね。特に金沢駅から離れた温泉地や観光地ではどうやって訪れてもらうか工夫も必要だと思われます。
来年も上昇傾向は続くものの、伸び率は鈍化し、上昇から横ばいになる地点も出てくるかもしれませんね。
また、7月の路線価、9月の都道府県地価調査、来年3月の公示地価の発表も注目です。
ここまで読んでくれた方ありがとうございました。