金沢市が計画を進める金沢駅武蔵南地区市街地再開発事業が2018年から本格的に始まります。
対象エリアでは今年度より解体工事が始まるため、記録も含めて対象エリアの風景を撮影しました。
どのような再開発に?
(本組合設立、来年度着工へ/金沢駅武蔵南再開発事業/実施設計はRIA-北陸建設工業新聞 より引用)
概要
名称:金沢駅武蔵南地区市街地再開発事業
敷地面積:2,250㎡
建築面積:1,600㎡
延床面積:18,500㎡
地上18階建て
マンション戸数:120戸
広場・通路 400㎡
区画道路 6~8m
2018年度着工予定
2020年秋完成予定
設計:RIA(アール・アイ・エー)
(金沢市-金沢都市計画第一種市街地再開発事業の決定(金沢市決定)(PDF)より引用)
再開発事業ではマンション(地上18階建て)と商業施設(地上2階建て)が別々の棟で整備され、公共緑地には惣構堀の跡を開渠化して整備されます。
マンションのタワーパーキングについては景観に配慮して、マンション内部にエレベーター式のものを設けるそうです。
解体対象は約20棟ほど(Googlemapで独自に集計)となっています。
解体前の街並み
撮影は2016年から2018年にかけて撮影されています。
こちらは金石通り沿いの様子。
安江町交差点
写真で言うと、中央の建物から右側が再開発の敷地になります。
敷地内で一際目立つ、こちらの建物はかつて病院だったようで、その後建物は金沢の古地図が見れるアプリ「古今金沢」を開発したエイブルコンピュータさんが使用していました。
1965年建築で地上5階建てだそうです。
http://ablecomputer.co.jp/recruit/it-happened-one-day/happened-01.html
建物裏側はこんな感じで病院名が残っていたりします。
北側の様子です。
かつて隣接していたお宅のシルエットがなんとなくわかります。
こういうのを”トマソン”というみたいです。
西側から見た様子です。
そして、隣接して写真館、眼鏡店・・・
特に山本眼鏡店さんは時代ごとに3棟建物が建てられており、歴史が感じられます。
眼鏡店の隣には、薬局も。
そして、再開発エリアで最も風格がある、久保紙店さん。
石川県近代和風建築総合調査報告書によると、なんと、1887年(明治20年)に建てられた建築だそうです。ちょうど、昨年(2017年)で築130年となりました。
1階は町家らしく広い間口。
2重庇が取り付けられています。
是非移築してほしいような風格ある建物ですが、再開発エリアに含まれているので解体されるのでしょうね。
隣接するクリニックは対象からは外れています。
むさし西交差点から見た様子です。
続いては再開発エリアの路地を見ていきます。
金石通りと金沢駅前通りに挟まれたところに市道がクロスしています。
昔ながらの商店が多いですね。
左手に見えるのはタバコ屋さんでしょうか(2016年に撮影)
「今日も元気 たばこでダッシュ」の看板が目を引きます。
既に長らく、営業はしていないみたいです。
2018年になり、用水を覆っていた蓋が外されていました。
そこには旧惣構堀の石垣が!保存状態良好のようです。
水は割と綺麗ですね。
惣構堀の部分は金沢市が公園として整備予定です。
こちらは生地屋さんでしょうか
生地のディスカウントショップの文字がいい味出しています。
生活狭小道路が犇めいています。
金石通りから続く惣構堀のあと。
こちらは豆腐屋さんだったようです。
ケースが沢山積まれていました。
何のお店か忘れましたが、このいさぎの良い「やってません」の文字の達筆さが良いですね。(2016年撮影)
こちらは金沢駅前通りからよく見えた有名看板の一つではないでしょうか?
「着まっし、見まっし、寄るまっし」
と金沢弁のキャッチコピーは一度見ると離れない気がするのは私だけでしょうか?(笑)
北方向から南方向を望む。
さいごにめいてつエムザから全景。
生活狭小道路かつ老朽化、そして周辺の開発機運などの高まりから再開発されますが、かつてどんな建物があったか風化させないためにも何度かにわたって撮影を行ってきました。
ただ、(金沢の訪問回数的にも)写真の数が膨大で、他にも撮影した写真がいくつもあると思いますが、整理が追い付いていないため、また見つかり次第、追加していけたらと思っています。
過去記事
・武蔵南再開発事業組合が設立!大京の18階建てマンションが2018年度着工
・金沢・武蔵南地区市街地再開発事業