西外惣構跡(升形地点)復元整備工事は、金石通り沿いに江戸時代にあった防御施設「升形」の一部を復元する工事です。
升形とは、城郭への出入口である虎口が方形空間を囲んで築かれた箱形の石垣で造られたもの。と書かれています。(歴史民俗用語辞典)
要は、重要な出入口を枡のように囲むことで、いざとなった時に枡の中に敵を閉じ込めて四方から攻撃することも可能な防御施設のことです。
金沢の場合は金沢城の重要な門(石川門・河北門・橋爪門)は升形門になっています。その他にもあったのが惣構堀に設けられた枡形でした。
金石通りは旧来から宮腰往還として金沢城と宮腰(金石の港)を結ぶ重要な道路でした。そのため、城下町の入り口には敵の進入を防ぐために防御施設が築かれていました。
それが、金沢城西外惣構堀の枡形となります。
現在の様子
西側から見た様子です。
先月は雪に覆われていましたが、雪も溶け、工事が続いています。
升形の斜面に大きな変化はないものの、外構工事は進んでおり、柵の設置などの準備をしている様子でした。
左手に惣構堀があり、右手に土居がある様子がわかります。
こういった構造のものが金沢の市街地を囲っていたわけです。
惣構堀の石垣も復元されました。
完成時は通水せず空堀となる予定です。
升形の土居側面はモルタルのようなもの?で覆われました。
土居の高さは手前の歩道からだと収まらないほどです。
周辺は照明や植栽も整備されました。
金石方向を望む。
大通り沿いにこれだけの高さの土居があるのが新鮮というか不思議な感覚です。
最後に金沢駅方向に土居を望む。
過去記事
・西外惣構跡(升形地点)復元整備工事 2018.1
・西外惣構跡(升形地点)復元整備工事 2017.12
・西外惣構跡(升形地点)復元整備工事 2017.9
・金石通り沿いに金沢城西外惣構堀「升形」が復元されます!