金沢駅の東口を兼六園口、西口を金沢港口 JR西日本が変更決定
来年3月14日の北陸新幹線金沢開業まで100日となった4日、JR西日本は金沢駅の東口を「兼六園口(東口)」、西口を「金沢港口(西口)」にそれぞれ変更することを決めた。金沢商工会議所には兼六園や金沢城公園などの写真や中心市街地の地図を掲載した観光案内タペストリーが掲示され、金沢に到着した観光客らを迎える準備を整えた。
金沢市が同日午前、JR西日本に金沢駅西口、東口の名称変更を申し入れ、了承された。西口については「日本海口」とする案もあったが、JR側は「金沢港口」のほうが分かりやすいと判断したとみられる。
東口と西口については、金沢商工会議所も「呼び方が分かりにくい」として、JR西日本のほか、石川県と金沢市に名称を変更するよう要望していた。(北國新聞 2014年12月5日)
金沢駅の東口・西口について、それぞれ「兼六園口」「金沢港口」になることが正式に決まりました!
ここで、東口と西口について簡単なおさらいをします。
まずは、「兼六園口」に名称変更される東口の様子です。
東口には鼓門やもてなしドームがあり、新旧の融合が世界的に認められ、世界で最も美しい駅に選ばれました。北信越5県(福井・石川・富山・新潟・長野)で地価が最も高いのもこのエリアです。
東口の先には旧市街地が広がり、近江町市場・長町武家屋敷・ひがし茶屋街・金沢城・21世紀美術館、そして兼六園など有名観光スポットが集中し、観光客も大変多く訪れます。
そして、「金沢港口」に名称変更される西口の様子です。
西口は1990年代に金沢駅高架化により開設され、広場が整備されました。今年3月に金沢駅西広場が再整備され、日本海や自然をイメージした広場に生まれ変わりました。そして、大規模な区画整理がされ、金沢の新市街地としてオフィスやホテルが立ち並んでいます。ここ近年は”新幹線バブル”で開発計画が相次ぎ、 数年で一気に都市開発が進み、今年の商業地地価上昇率はこのエリアが1位になるなど、勢いが止まりません。
西口の先には新市街地が広がり、その先に金沢港があります。金沢港は近年の外航クルーズブームで豪華客船の入港が相次ぎ、賑わいを見せています。
名称変更で心配な点
今回の名称変更は観光客に配慮しての決定とのことですが、良い事ばかりではありません。私は逆に観光客が混乱しないか心配な面もあると考えます。
1.兼六園と金沢港が遠いこと
金沢駅から兼六園、金沢港まで何kmあるのか分かりますか?
兼六園までは2km、金沢港までは6kmあります。兼六園口の方へ向かえば兼六園があるということは正しいですが、2kmあると初めて来た観光客の方々は思わないでしょう。
金沢港口というと、近くに金沢港があるイメージがありますが6kmあります。大雑把にもほどがあると思いませんか?
2.市民の駅とは離れてしまっていること
金沢駅は北陸新幹線金沢開業により、観光客が増加することは確実でしょう。しかし、利用客の多くを占めるのは、金沢市民であることも確かです。
金沢市民にとっては東口と言ったほうがしっくりくるでしょう。ましてや、西口に至っては昔から「駅西」と呼ばれていた地域であり、駅西本町など、駅西のつく町名があるほどです。
名称変更により兼六園口・金沢港口になってしまうと、最も利用する”市民の駅”としての立ち位置が失われる可能性があります。
既に決定したことを今更あれこれ言っても仕方ないのですが、この2つを踏まえたうえで、私が提言したいのは、
金沢駅 東口(兼六園方面)
金沢駅 西口(金沢港方面)
に変更することです。
「方面」なら、近くにあるというイメージも和らぎ、東口と西口の名を残すことにより、市民の駅としての立ち位置も守れます。
そして、提言に付け加えるなら、金沢港の魅力をさらに発信することが必要だと考えます。
かつて、北前船で栄えた、大野・金石地区の港町の風情を発信・そして、外航クルーズの寄港地でにぎわう金沢港の無量寺埠頭の整備を行うべきですね。
そして、金沢駅西口から金沢港・大野金石へ向かう新交通システム等の整備(またはほかのバスと差別化を図ったバスの運行)をしてもらいたいです。
無量寺埠頭については、老朽化した施設を取り壊し、新たに港湾施設を建設。施設内に業務フロアと「いきいき魚市」を移設し、展望台を整備等、賑わいある金沢港を目指してほしいです。
駄文で申し訳ありませんが、つまり、「金沢港口」と呼ばれるにふさわしい、金沢港になってほしいというのが私の思いです。
今月は、北陸新幹線金沢駅発車メロディー発表や北陸新幹線ダイヤ発表など、イベント目白押しです。北陸新幹線開業まで100日を切りました。