金沢駅西口では金沢市が国際ブランドホテル(インターナショナルブランドホテル)の誘致に向け、ホテル建設にあたっての基準や募集要項などの公募資料が4月18日に公表されました。
金沢市がインターナショナルブランドホテルの誘致にあたって、開発事業者やホテル事業者を対象とした、公募型プロポーザルを採用しました。
公募型プロポーザルとは、複数の開発事業者から優れた開発事業者を選定する方式で、条件としてはコンペ同様に複数の開発事業者が応募しなければ成り立ちません。金沢市の場合、昨年の開発事業者に対しての意向調査では5社以上が関心を示したとして、公募型プロポーザル方式が適用されます。
【参考資料】
インターナショナルブランドホテル事業 公募型プロポーザルについて(金沢市)
【参考記事】
金沢駅西口に国際ブランドホテルが2020年開業に向けて誘致を本格化! 2016.3
公募資料をざっくりと読み通したところの要点をまとめます。
【事業用地の概要】
敷地面積:7423.74㎡
用途地域:商業地域
高度地区:建物高さ60m以下の制限
建ぺい率:80%
容積率:600%
アクセス:JR金沢駅「金沢港口」徒歩2分
北陸自動車道金沢西インター、金沢東インター 車で10分
(位置図)
場所はご存知の通り?金沢駅西口の一等地です。どうやら、高さ制限は60mと決まっており、60m以上建てられる特例措置のようなものは無かったみたいです。
【事業スケジュール】
2016年4月 公募型プロポーザルの実施を公告
2016年夏 ホテル事業の優先交渉権者が決定
2016年9月 9月定例議会での議決を経て正式契約
2016年夏以降 基本・実施設計
2017年夏以降 土地の引き渡し・建設に着手
2019年秋ごろ 竣工
2019年度末目途 ホテル開業
こちらも前回書いた記事とほぼ変更はないようです。設計期間は約1年、建設期間は約2年余りの予定となっています。
【事業条件】
・譲渡単価は固定とし、競争・審査の対象としない。
・応募者は敷地面積7423㎡のうち、土地の一部のみ取得も可能(ただし、4000㎡以上は取得する必要がある)
・土地の一部のみ取得する場合はそれ以外の敷地において、金沢市が立体駐車場を建設する準備がある。
・立体駐車場を建設する場合もホテルのデザインコンセプトに配慮する必要がある。
・インターナショナルブランドホテルに加え、都市のステータスを高める民設・民営の施設を設ける提案が可能。
・応募者が取得する土地については敷地内に公共施設は設けない。
・ホテルの開業後は20年以上は事業を継続する必要がある。
となっています。ここで重要な点がいくつも出てきましたが、譲渡単価は固定ということは土地価格が一定なので、応募者は施設の外観と中身が審査の主な対象となります。そして、土地も一部取得も可能になるのですね。余った土地は立体駐車場になるということですが、審査基準を見てみると取得面積が大きいほど配点が高いので、金沢市は土地の一括取得が望ましいとの考えでしょうか。
【建築物の整備】
・世界の交流拠点都市の核施設として、実現性が高く明確なホテル事業のコンセプトが提案されるとともに、駅西広場周辺のランドマークとなる金沢にふさわしい魅力の高いデザインコンセプトを提案すること。
・金沢駅の玄関口にふさわしい品格と風格が感じられる景観を形成するとともに、隣接する金沢駅西広場と調和した魅力的なオープンスペースを敷地内にも創出し、近代的で洗練された街並み景観を形成すること。
・夜間の賑わいを創出し、都市の魅力を高める創造性や演出性にあふれた品格のある夜間景観の形成を図ること。
・金沢駅からの歩行者動線は平面交差を原則、歩行者通路は市が負担。
デザインや景観にも配慮した建物が求められるようですね。そして、インターナショナルブランドホテルは、金沢市が掲げる世界の交流拠点都市の核施設という位置づけのようです。
【ホテルブランド】
・世界の交流拠点都市にふさわしい質と品格を有し、国際的なホテルの運営能力と実績を有するホテル運営会社が運営者となり、国際的な知名度と高い評価を得ているブランドとする。
・ホテル開業後10年間は同一のホテルブランド・運営主体で事業を継続すること。(市と協議したうえで市の承認を得た場合は変更可能)
・客室面積は全室30㎡以上、レストラン1施設以上、その他、会議室、ビジネスセンター、ジム等の付帯施設の設置が望ましい。
インターナショナルブランドホテルとして、高い格式と実績を有するブランドが選ばれるのですね。金沢市では最も格式あるホテルが誕生しそうです。
ついに公表された、プロポーザルにむけた公募資料。公募資料についてはこれ以上私的意見は突っ込みませんが、金沢駅西口の一等地がどのように変貌するのか大いに期待しています。