2016年5月、地元紙や地元テレビ局で金沢都ホテルの再開発計画が浮上したとの旨が報道されました。
いよいよ、金沢駅前の「超一等地」の再開発計画が始動するのか動向が注目されます!!
◆金沢都ホテルとは?
金沢都ホテルは、北陸新幹線金沢開業で観光客が劇的に増加した金沢駅東口に面したホテルで、東京オリンピック1年前の1963年に金沢市で初めての都市型ホテルとして開業しました。
建物自体は「金沢ビル」という建物で金沢都ホテル以外にもオフィスや地下街を備えた金沢で初の本格的な複合ビルであることは確かです。建設当時、金沢駅周辺には金沢駅ビルを除き、鉄筋コンクリート造の高層建築物は一つもなく、木造家屋密集地の中に突如現れた大型ビルという感じで金沢駅前の発展のきっかけになった建物ともいえるでしょう。
また、1983年に増築工事(写真右側の正方形の窓が並ぶ部分)と既存部分の改装を行い、さらに大きな都市型ホテルとなりました。
現在は、部屋数193室で近鉄・都ホテルズによって運営、近鉄不動産が管理しています。
◆金沢都ホテルが入る金沢ビルの概要
延床面積 31,984 m²
運営 近鉄・都ホテルズ
所有者 近畿日本鉄道・近鉄不動産
階数 地下3階 – 地上7階
地下2階~1階 店舗
1階~7階 金沢都ホテル・事務所
◆金沢唯一の地下街
金沢都ホテル地下には金沢唯一の地下街「都ホテル地下街」があります。
1963年からあるもので、53周年を迎え、非常に歴史のある地下街となっています。
また、地下2階は「都ホテル地下街」に隣接して「金沢駅前地下街」があります。
金沢駅前地下街は県道の真下に位置しており、規模は小さいものの、法令上の正式な地下街となっています。
また、昔は金沢ステーションビル地下街と接続されており、賑わいがあったものと思われます。
こちらは金沢都ホテル地下街にある、地下1階、地下2階を貫く吹き抜けの様子です。
突如地下に現れる大空間があるなど非常にマニアにはたまらない構造となっています。地下は迷路のようになっているので、時々「ダンジョン」と称されることもあります。
ちなみに写真左側の窓枠が並ぶ部分にはかつて映画館「ロキシー劇場」があり、現在はセミナーホールになっています。
また、地下通路に突如現れる志摩スペイン村の広告があるあたりが、近鉄の建物だなと感じる部分です。
◆金沢都ホテルの再開発計画と時期
金沢都ホテルの再開発計画は2007~2008年ごろから噂レベルで浮上しては消えていました。
しかし、今回は、地元紙や地元テレビ局が報道したこと、さらには、2017年3月末までに入居中のテナント40店に退去するよう要請を始めたことなどから、再開発計画は本格的に動き出していると思われます。
計画では、現建物(地下街含む)は解体し、近鉄不動産が開発または、売却を含め検討中で、構想ではホテルを軸にした新施設となる見込みです。
敷地面積は約4800㎡で、金沢駅東口の顔となる再開発となり、投資額も近年の金沢市内の再開発の中では最大規模になると思われます。
順調に計画が進めば、今夏に再開発計画を固めるそうです。早ければ、おそらく来春から来夏にかけて解体工事が始まるのではないでしょうか。
近鉄不動産は京都や大阪で運営契約で「シェラトン」「ウエスティン」「マリオット」など外資系ホテルを展開しており、金沢でも外資系ホテルを展開する可能性もあります。金沢駅西口でも外資系ホテルの誘致が進んでおり、2016年7月中にも開発業者が決定し2020年までに開業予定です。
現地は地上60mの高さ制限があり、今の建物(7階建て)で30,000㎡を超えていることから、高層化されるならば金沢有数の大型ビルとなる可能性もあります。
そして、金沢駅周辺の地価が高騰しており、ホテルやマンション需要、オフィス需要のほか商業需要も高まっており、再開発でホテル以外の施設をどのように取り入れるのか注目されます。
金沢駅周辺の大変貌を53年間見つめてきた建物の再開発となれば少し寂しさがこみ上げますが、老朽化した建物はいつか生まれ変わる必要があります。
現在よりさらに金沢駅前のシンボルとなる建物に生まれ変わり、今後何十年にわたって愛される施設になってほしいと思います。