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北國銀行 本店跡地のホテル建設が再検討へ 2014.11

北國銀行本店跡地のホテル建設計画が再検討されることになりました。

本店跡のホテル計画は再検討 北國銀、資材価格高騰で

 北國銀行は、25日に金沢市広岡2丁目の新本店へ移転後、同市下堤町の現本店跡で想定していたホテル建設計画の再検討に入った。資材価格や人件費高騰により、当初計画よりも建設コストが約4割上昇したため。現本店の第一本館、第二本館は来年早々に解体工事に入る予定で、安宅頭取は、解体を終えるまでの約10カ月の間に跡地活用策について、ホテルやマンションなどを含め、あらためて結論を得る考えを示した。

 同行が2年前に公表した現本店の跡地利用策では、同行グループ会社がホテルを建設し、全国で「ドーミーイン」などを展開する共立メンテナンス(東京)が運営する計画だった。想定を上回る建設コスト上昇により、物件賃貸料など運営条件を見直さざるを得なくなり、「いろいろな業界から(跡地利用について)アプローチがあり、並行して検討している」(安宅頭取)という。

 新本店の総投資額は約89億円で、今期の決算では減価償却費と物件費で約14億円のコストを見込む。来期以降、通期で約6億円の減価償却費を計上する計画で、安宅頭取は「他の部分のコスト削減で十分に吸収できる」と説明した。

引用:北國新聞社 2014年11月6日) 

 

ホテル計画を再検討 北国銀本店跡地、資材高騰で

 金沢市下堤町の北国銀行現本店跡地に計画されていたホテル建設計画が見直される可能性が出てきた。北国銀の安宅建樹頭取が五日、会見し「やるかやらないか再検討している」と述べた。計画時より建設資材が約四割高騰したことが理由という。

 ホテルは、同行本店がJR金沢駅西口に移転した後に建設。ビジネスホテル「ドーミーイン」を経営する共立メンテナンス(東京)が入居し運営する予定だった。だが建設需要増による資材高騰などでテナント料も引き上げざるを得なくなり、再検討することになったという。

 安宅氏は「金沢市のにぎわいの中心。ホテルだけでなくほかの手だても並行して検討している」と述べた。共立メンテの広報担当者は「当初計画はゼロベースになった。もともと北国銀行の意向に沿い事業展開する立場。また縁があれば計画したい」と話した。

引用:北陸中日新聞 2014年11月6日

 

 

 

 

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北國銀行が2014年11月25日に、金沢市中心部の下堤町から金沢の新都心として注目されている金沢駅西口の広岡へ移転します。それに伴い現在の本店は解体され、北國銀行側が賃貸ビルを建設し、”ホテルドーミーイン”を展開する共立メンテナンスが入居する予定でした。

 

共立メンテナンスは、2012年11月10日の北國新聞の記事で、ホテルドーミーインの中でも、ビジネスマン向けだけではなく、ツインルームを多くするなど観光需要に対応した仕様となる、「プレミアムバージョン」での展開を検討していました。しかし、資材・人件費の高騰により当初よりコストが4割上昇したため、計画が白紙状態に戻ったということです。

 

確かに、ここ数年の資材・人件費の高騰は深刻です。

 

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2014年11月4日に修祓式(しゅうばつしき)が行われた北國銀行新本店ビルも例外ではありません。2012年当初の計画発表時は総事業費70億円とのことでしたが、先日の記事では総事業費89億円と書かれていました。事業費が19億円も膨らんだことは資材や人件費の高騰が主な要因でしょう。

 

 

 

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さらに、富山市に本社を置く製薬メーカー「日医工」は、新本社ビルを2013年11月着工、2015年6月竣工予定だったものを、資材・人件費高騰により、延期しました。

 

金沢市中心部の北國銀行本店ビルの駅西移転。しかし本店跡地のホテル建設が決まっていたため、これまでまったく気にしていなかったですが、計画が再検討(事実上の白紙)になると中心部の空洞化が懸念されます。北國銀行本店跡のホテル計画が再検討、大原学園跡地の活用計画も決まらないまま、旧東京海上日動金沢ビル跡地の進まない賃貸マンション建設(コインパーキング化)等、金沢市中心部のオフィス街の状況は良い状態ではありません。

 

最近では、金沢市内で深刻な駐車場不足(特に金沢駅周辺)のため、コインパーキングの需要が増しています。個人的な見解では、コインパーキングは利便性がよく利用者にはありがたい存在ですが、コインパーキングが増えると景観上良くないです。金沢は景観を大切にしている都市で、北陸新幹線金沢開業で観光客もさらに増大する中でコインパーキングも増大してもらうと困ります。

 

実際に、先に述べた東京海上日動ビル跡地はコインパーキングとして供用されています。ほかにも金沢駅西口でもコインパーキングが新たに完成、武蔵が辻界隈でもビジネスホテル跡地がコインパーキングとなってます。北國銀行本店跡地がコインパーキングとなることはやめていただきたいですね。

 

跡地活用策について、ホテル・マンションを視野に入れているそうですが、これ以上都心軸にマンションが増えるのもよろしくないと思います。京都を例に見てみると、金閣寺や清水寺、京都御所など観光地を挙げるとキリがない美しい街ですが、美しい街は観光地周辺だけ。大通り沿いは景観に配慮したであろう茶色系統のマンションが立ち並び、景観的にあまりよくないです。マンションで賑わいに直結するというのも疑問で、お店が沢山あるエリアならまだしも、北國銀行本店がある上堤町は北陸髄一の一大オフィス街を形成しているエリアです。

 

個人的には、北國銀行本店を解体せずに耐震工事をして保存することもよいのではないかと思います。昭和33年3月に竣工した北國銀行本店。戦後の”銀行建築”として保存し、一部をガラス張りにするなどリノベーションしたうえで、ギャラリーやレストラン・セレクトショップとして再生させるのも一手だと思います。これから金沢市は金沢駅西口を中心にさらに開発が進んでいくと思います。その中で建てられる建物のほとんどは全国にありふれた似通った建物ばかりでしょう。建築が多重構造で存在する「バウムクーヘン都市」金沢は、開発するだけでなく保存することも大切です。

 

北國銀行本店跡地が再検討をすることを機会に、既存建物を”保存する”ということも視野に入れてみてはどうでしょうか。

 

 

 

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