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金沢市立玉川図書館は金沢市玉川町にある図書館です。

設計は谷口・五井設計共同体で、金沢市出身の世界的建築家である谷口吉郎が設計・総合監修、その息子のニューヨーク近代美術館や鈴木大拙館などを手掛けた、谷口吉生設計を担当し、谷口親子の最初で最後の共同作品となっています。

 

 

 

概要

名称:金沢市立玉川図書館
敷地面積:8,142.90㎡
建築面積:2,850.36㎡(近世資料館含む)
延床面積:6,337.43㎡(近世史料館含む)
フロア:地上2階地下1階
竣工年:1978年
撮影年:2017年5月
高さ:
その他:

設計 谷口・五井設計共同体

【中部建築賞】【金沢都市美文化賞】

 

 

 

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この図書館の特徴は「新旧の融合」

旧専売公社の金沢煙草製造所(1913年)だった伝統的な意匠をもつ赤レンガ建築(現在は金沢市立玉川図書館別館)と現代建築をうまくミックスさせた建築です。

 

 

 

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旧専売公社の赤レンガと鋼の壁との対比もなかなかです。

 

 

 

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この鋼の壁はコールテン鋼と呼ばれる、錆びに強い素材が用いられています。

 

COR-TEN は、の最大の弱点であるさびをさびで防ぐ という独特の形で克服した耐候性です。 COR-TEN を裸仕様で大気中に放置すると、初めは普通 と同様にさびますが、やがて合金元素の働きにより表 面に緻密なさび層(保護性さび)を形成し、これが以後 のさび進展を抑制します。

COR-TEN ® (6.55 MB) – Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation

 

そのため、建築資材としてはわざと錆びを発生させる方法で使われることが多いみたいです。

玉川図書館でも、時間の経過とともにゆっくりと落ち着いた色へ変わっていくそうです。(完成当初は外壁が黒かったようで、少しずつ色が変わっているみたいです)

 

 

 

 

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旧専売公社との対比でこちらはガラス張り、コールテン鋼の落ち着きのあるシンプルな現代建築となっています。

余計な装飾が無い点が赤レンガ建築を引き立たせているようにも見えます。

互いの建築物を完全に対立させるわけでなく、互いに引き立たせているそんな建築に感じました。

 

 

 

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周辺は玉川公園という市民憩いの公園になっているため、木漏れ日が建物に映るのも素敵です。

 

 

 

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敷地西側の様子です。

 

 

 

新旧の融合-中庭-

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そして、外観に続き、注目すべきは中庭ではないでしょうか。

 

 

 

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コールテン鋼の壁の裏側は赤レンガとなっており、旧専売公社との融合が図られています。

外観では互いの建築物が対照的になっていましたが、中庭は2つの建築を完全に織り交ぜたような建築に感じます。

 

 

 

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近世資料館(金沢市立玉川図書館別館)方向を望む。

赤レンガ建築がそのまま続いているようにも見えますね。

 

 

 

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中庭でも赤レンガとコールテン鋼、古典的な建築と近代建築の融合。

それを架け橋のようにつなぐ鋼材が印象的です。

 

 

 

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こちらは南側から見た中庭です。

 

 

 

 

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上の鋼材は旧専売公社の煙草工場だったことをイメージしたとか。

現代建築にそういった意匠を取り入れて表現しています。

 

 

 

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銘板。

 

 

 

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谷口吉生氏は設計時に「金沢らしい図書館」を目指したそうです。

金沢らしい図書館とは何か、個人的には新旧の融合という風に感じました。

金沢は古来より古い文化と新しい文化の融合で成り立っていると感じることがあります。

 

兼六園の向かいに金沢21世紀美術館があり、伝統的な寺社建築である尾山神社拝殿の前に擬洋風建築の尾山神社神門があるなど、金沢の街ではこういった新旧の融合が多く見られます。

 

実際に建築に注目して、谷口吉生氏の考える金沢らしい図書館とは何か、考えながら見てみるのも面白いかもしれません。

 

 

 

地図