2009年まで北陸鉄道石川線の駅として親しまれた、加賀一の宮駅の駅舎が改修され活用されることが明らかになりました!
登録有形文化財への指定も視野に入れ、改修工事が始まろうとしています!
現在の様子とともに見ていきましょう!
加賀一の宮駅舎の概要
延床面積:104㎡
階数:平屋建て(一部、半地下、中2階あり)
竣工年:1940年 (昭和15年)
加賀一の宮駅は1927年に金名鉄道の神社前駅として開業。
1937年に加賀一の宮駅に改称され、1943年には北陸鉄道金名線及び石川線の駅になります。
そして、1984年の金名線休止(1987年廃止)から実質的な終着駅となっていました。
当時は、近くに白山比咩神社があることから参拝客でにぎわったものの、客足の減少により2009年11月をもって鶴来-加賀一の宮駅は廃線されました。
廃駅となった加賀一の宮駅は解体される計画も出ましたが、保存される方向となり、解体を免れました。
2013年12月には北陸鉄道が白山市へ旧駅舎を寄付しています。
廃駅から8年、ようやく改修工事が本格的に始まり、活用されることになりました。
現在の様子
現在の様子です。
こちらは駅舎としてはホーム側になります。
シートに覆われ、改修工事が始まろうとしています。
手前の茂みは線路だった部分です。
遠景です。
一部ではまだ架線柱も残っています。
ほとんど草に覆われていますが、ホームだった場所(段差)が分かりますね。
かつての踏切跡?があったので渡ってみます。
線路も残されているのが分かります。
加賀一の宮駅方面の様子です。
まだ架線が残っています!
加賀一の宮駅改修と合わせてこのあたりも整備されるのかな?
線路の先は茂み・・・
現在、加賀一の宮駅周辺区間のみ一般道を迂回しているサイクリングロード(手取キャニオンロード)の整備部分になるのかなと思っています。
手取キャニオンロード自体も旧金名線の廃線跡を利用したものですし。
そして、正面の様子です。
現在は駅舎内には立ち入れず、駅舎の前がバス停となっています。
駅舎入口部分の屋根が唐破風であることや門前駅の風格があることから文化財級の価値があるとされています。
そのため、2019年に国の登録有形文化財への登録を目指しているそうです。
活用策は
駅舎をどのように活用していくかについてですが、
・カフェスペース(軽食スペース)
・プラットフォームの開放
・貴重な鉄道資料の展示場
などの案が出されているそうです。
先述の通り、サイクリングロードの手取キャニオンロードが隣接していることから、道の駅しらやまさんとともにサイクリングの拠点にもなりそうです。
また、白山比咩神社もパワースポットとして注目も高まっているので、観光客がふらっと立ち寄れる空間になればいいですね。
改修工事については、2018年7月から工事が本格化するそうです
建物基礎も老朽化していることから、曳家工事を行い、基礎も改修される予定です。
外観の意匠は残して内装中心に改修を進めるとのこと。
完成は2018年秋ごろを予定しています。
廃駅は基本的に解体されてしまうことが多い中、保存され活用される方向になって良かったと思います。
石川県にある駅舎の大半は戦後以降に建設されたものばかりになってしまったので、そういう意味でも貴重な遺産だと思われます。